ハーメルン
IF〜気がついたら絆レベルカンストした狂王と一緒に呪術廻戦の世界にいた話〜
03.呪霊鏖殺と一つの視線
コヤンスカヤの働きかけもあり、なんとか孤児院を用意することができることを知る。
いやぁ、やっぱりコヤンスカヤは仕事が早い。おかげでなんとかなりそうだ。
自分の企てが上手く行くかどうかは少し様子を見ないといけないけど、まぁなんとかなるだろうとは思う。
なんせ、敏腕美人秘書が味方についているのだから、彼女と上手く連携すれば、被害を最小限に抑えることもできるし、一部の人たちの未来も変えることができるだろう。
ビジネスに関してなら、彼女は誰よりも信頼できるし、信用することもできるからね。
彼女の協力があれば、ある程度のことは上手くいくというものである。少しだけ対価が怖いけど。
それはそれとして……だ。
「うん、やっぱりいたか……。」
呆れの感情とともに、言葉と溜め息を吐く。まさか、こんなところに呪霊が湧いているとは思わなかった。
いや、こんなところだからこそ、呪霊が湧いて出ていたのだろうか?
今日は、父さんがせっかくの休みなんだからと夜は星が綺麗に見えるキャンプ場に連れて来てもらっていた。
でも、ちょっとキャンプ場内に、嫌な空気が流れていることに気がついてしまって、嫌な予感を覚えていたんだ。
なのに、他のキャンプ客たちは気にすることなく過ごしているもんだから、もしかしてと思い、嫌な空気が流れて来ている方向へと足を運んでみた。
そしたら、見つかる呪霊の小規模な群れ。おそらくだけど、キャンプ場の周りにある森に対する恐怖とか、熊なんかの動物に対する恐怖なんかが具現化したんじゃないかなと思ってる。
まぁ、なんにせよ、このまま放置しておくのはあまりよくないと思ったから、こっそりと消しに来たわけだ。
……呪霊たちは何かしらの言葉を発している。『クマが出て来たらどうしよう。頭から食べられる?』、『眠ってる間にテント内に蛇が入って来たら嫌だな。』、『ママー!蚊に刺されちゃったー!!』、『うっわ、蜂に追われたんだけど、最悪。』、『湖に近寄ったらダメだって言ったじゃない!』、『このままいなくなっちゃっても、誰も悲しんだりしないよね……』、『森の中に入ってしまえば、誰も俺を見つけないよな。』。
いろんなところから聞こえてくる声、声、声……不安だったり、恐怖だったり、悲哀だったり、怒りだったり、はたまた諦めだったり……多くの人があらゆるマイナスの感情を吐き出して、それを消すための気分転換として、キャンプ場に来たのだろう。
とは言え、ここまで多いとは思わなかったな。しかも、感じ的に多分、呪術師の方には知られていない。
そう言えば、このキャンプ場って悪い噂は聞いてないな。管理人さんが、疲れたり、ストレスを抱えていたり、暗い表情をしている人たちがよく訪ねてくるけど、ここで一泊して行くと、嘘のようにすっきりした表情でお帰りになられるんですよ……とは言っていたけど。
もしかして、そのせいで呪術高専側の方に連絡が行っていないとか?
まぁ、いいや。とりあえず、キャンプ場にいる人たちに呪いの被害が出ないようにしといた方がよさそうだし、さっさとこの場を終わらせよう。
そう考えながら、呪霊の群れに目を向けてみれば、群れの中でも一際大きい圧迫感のようなものを感じる呪霊がこちらに気がついてしまい、私めがけて攻撃を仕掛けてきた。
すかさず私は、オルタニキに教えてもらったルーン魔術を、魔力ではなく呪力を利用することにより発動させ、自身の肉体強化を行い、その攻撃を躱す。
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