ハーメルン
さんめーとるカノジョ
1話 初登校日

 朝、一人の男が起床する。その男の名前は佐藤翔太。以前に中学校を卒業し今日、高校の入学式を迎える。両親は事故で亡くし一人で生活しているため他の家族がいる家とは違いこの家の朝はとても静かだ。

 そして誰もいない家に「行ってきます」と一言だけ言い外に出て行った。高校は電車で三十分ほど乗った所にあるのでまずは駅に向かいまるで缶詰の中で人が押し寄せているような満員電車の中に乗り込んだ。

 そんな満員電車の中、翔太は不安に思っていることがあった。それは同じ歳の平均的な身長よりも少し低くいためそれを理由に学校の周りの人からいじられたり高い所に手が届かないなどが原因でコンプレックスに感じている所があった。

今も翔太は身長が低い上に電車の中が人でぎゅうぎゅうの満員状態なので車内が大きく揺れると上から押しつぶされ下敷きになり大変なことになっていた。

そうして目的地の駅に着いた頃には体がクタクタになっておりこれから学校に行く前からここまで体力が削れると思うと少し憂鬱に感じながら駅を降りまたそこから数十分歩く。

歩く道にはこれから通う高校の上級生らしき人がずらずらと歩いておりそれを見た翔太はこう思った。

(高校に入って何年もすればあれぐらいの身長になれるのだろうか)

 今まで身長があまり伸びなかった人でも高校に入ってから急激に伸びた人の話を小耳に 小耳に挟み、自分もそのようなことになればいいと大いに期待を込めながら入学式へ向かった。

ものの数十分歩いているとついに高校にたどり着いた。ここに来たのは入試以来であの何とも言えない校長による面接を思い出すと今でも震えていた。

ここに着いた翔太はまずは5個のクラスに振り分けされている表を確認しに行った。だがそこにはたくさん人が自分のクラスの表を確認してきていたので翔太は身長差のせいでまったく確認できなかった。そこでどうしようか困っていると後ろから声をかけてきた人がいた。

「どうかしたか」

 後ろを振り返ると陽気そうな金髪の男がいた。そして翔太はその困っていることを言うと代わりにクラスを確認してくれたのだ。

「あ、俺と同じクラスだわ、佐藤君」

 この声をかけてきた男も翔太と同じくこの学校の新入生で今日入学式を迎える。

そして翔太はこの声をかけてきた男と同じである1―Bのクラスの教室に一緒に向かった

「そうだ、俺は志賀英虎。どうぞよろしく」

 志賀は翔太に初対面とは思わないほど馴れ馴れしく話しかけてきた。

「佐藤君は高校に入ってやりたいことはないの?」

「高校に入ってやりたいことというか高校生になればバイトができるようになるからやろうと思っているんだよね」

(今は親族などのお金の支援で何とか生活できているけどいつまでも頼っているわけにはいかないしな)

「お、いいね。俺も喫茶店とかで働いてみようかな」

 それを聞いた翔太は金髪でちょっと騒がしい人が落ち着いた雰囲気のある喫茶店で働くのは釣り合わないのでは心の中で思っていた。

「それでさ、高校という新しい場所で仲間ができるか不安なんだよな」

「いや、志賀君ならすぐ友達できると思うよ」

(俺と違ってコミュ力が高そうだから誰とでも友達になれるだろうな)

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