ハーメルン
魔人ちゃんはがんばらない【完結】
3. 蜜月

 たゆの告白を受け入れてから、私たちの暮らしは少し変わった。

 炊事洗濯掃除をたゆに丸投げして私は一日中だらけるのは変わらない。面倒なことはやりたくない。たゆも用事が終わればソファで一緒に無為な時間を過ごすのだけど、このとき解禁されたスキンシップが一番大きな変化だと思う。

 出会って間もない頃みたいに、たゆの太ももに乗っかり対面で抱き合う。私の背中をたゆの手が這い回り、シャツを捲くって素肌を直に刺激され、体中が熱くなっていく。

「たゆ、待って……」
「私、もう我慢しません。本当に嫌なら逃げてくださいね」

 たゆは何か吹っ切れたみたいで、私の体を弄ぶ手付きには躊躇とか容赦とかいうものが欠片もなかった。嫌なら逃げてとは言うけど、以前とは違いたゆは魔法少女の筋力でがっちり私を捕まえていて、逃がす気はまったくない。抱き合うたび私は立つのも難しいくらいぐちゃぐちゃにされ、お風呂に運ばれてまた快楽を体に叩き込まれる。

 毎日毎日気持ちよすぎて死ぬんじゃないかと怖くなる。だけどこの生活は気に入っている。食べて寝て好きなやつとおしゃべりしたりちゅーしたりするだけの日々。サイコーに怠惰でいかにも魔人らしいじゃない。

 ただ、私の方ばかりいい思いをするのは申し訳ないというか、正直敗北感がある。たゆのあのムチムチ巨乳ボディを攻略するのが最近の目標だ。一応首筋と胸が弱点なのは分かってきたので勝ち筋はある。あいつが蕩け顔でひいひい言ってる様が目に浮かぶぜ。

「たゆっ、まっへおねがい……!」
「んもー、今日はお姉さんがリードするって言ってたじゃないですかー。嘘つきお姉さんにはお仕置きですよ」

 ダメだった。普通にいつもの流れでドロドロにされて気づいたら朝になってた。

 感じやすいんだろうか。たゆの大きくて柔らかな体に包まれていると体が熱を帯び、どこを触られても気持ちいい。

 朝のベッドの中、言い訳みたいにそう言ってみるとたゆはジト目で、

「スケベ」
「……ロリコンに言われたくない」
「ロリコンじゃないです。好きになった人がたまたま幼女サイズだったんです」
「ちょっ、こら、まだ朝!」
「どうせやることないしいいじゃないですか。嫌ならもっと抵抗してください」

 たゆはとんだ変態に育ってしまったらしい。何しろ体格差があるので強く迫られたら抗えない。私は仕方なくたゆのいやらしい求めに応じてやっているのだ。仕方ないのだ。

 そうした爛れた日々が始まって数週間。

 私とたゆはリビングのソファで小休止していた。たゆの太ももに上半身を預け、何をするでもなくぼーっとする。ベランダの外には初夏の陽光が輝いて、遠くサイレンの音が聞こえてくる。

 室内には空調の音と、テレビから光と音が垂れ流しにされている。

『YY州楔野町で魔人が出現してから三週間が経ちました。魔人と共に姿を消した魔法少女パステルエッジさんの行方は、依然として分かっておりません。専門家のみなさんに話を伺いたいと思います』

 話題は私とたゆだった。このワイドショーに限らず、あのお弁当届け事件以来どこの局のどの番組も同じような話ばかりしている。

 司会に話を振られ、魔法少女研究歴50年の専門家というおじさんがしかつめらしく口を開く。

『この事件は魔人の恐ろしさを再確認させるものでした』

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