測り損ねる系一般上位者
さて、夜が明ける。
シールドフィールドは光を遮る類のものではないので、海から上がる陽光がしっかりと街を照らしていく。まぁTOWERがあるから影に覆われたところはあるんだけど。とはいえこれ、もとからあった尖塔だから、こればかりは僕のせいじゃない。
「フレシシ」
「なんでしょうか」
「この国が滅びた原因ってわかった?」
「あー。人間が再起不能なので、如何とも。気になるんですか?」
「少しね。人間が死ぬ理由、人間の組織が瓦解する理由なんていくらでもあるけれど、国が滅びるまで行くと話は変わってくる。たとえば人間同士の争い……内紛、クーデターの類だったら傾くことはあれど滅びはしない。その後に、ということはあるかもだけど、流石にそんなにドンパチやってたら報道入るでしょ」
「フリス、毎日テレビ見てますもんね。言われてみれば確かにそういう話は聞かなかったかもです」
「世界の全てを見る事ができるわけじゃない僕にとって、報道というのは中々得難いツールだよ」
国が滅ぶ理由。
人間同士の争いじゃないなら、天災か、あるいはやはり機奇械怪か。
でも、おかしいんだよな。
この国に入ってから、国を滅ぼすレベルの機奇械怪を見ていない。
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