剣の縁 1
主を背に乗せ空を舞う。
一つの地方の空を支配する者として、負けられない戦い。
こちらは相手に深手を負わせることができないが、圧倒的に速い。
とはいえ、上に主がいる以上、長い間全力を出すことができない。
対してあちらはこちらのことを殺してもいいが、瞬間加速が悪く、なわばりより遠くを守ることはない。
分が悪い?
上等
ガラルだか何だか知らないが、その程度の速さで空の王者を名乗るなんてあまりにも温い!
急速旋回を繰り返し巻き起こされる『ぼうふう』を回避して、時折放たれる『ブレイブバード』は回避せずに『りゅうせいぐん』で相殺。
全てを躱し、相殺し……
上にいる主を忘れるほど楽しんでしまったせいで、首の骨が折れそうになっていたが気にしないっと。
ガラルの空を支配したとはいえそんなもの井の中の蛙でしかない。
全てを振り切ってこそ最強。
もっとも、主が目的としていたワイルドエリアにたどり着いたのはいいものの、ぐったりと寝込んでいるので、いつものように旅をすることもできませんね。
それでは、ボールを拝借して
『あなたのどこが臆病なのか小一時間問いただしてやりたいところですが……』
若干キレ気味の『シャンデラ』に主を押し付けて、再度空へ飛び立つのであった。
はー……。
一つ上の姉であるオンバーンは臆病者のふりをしている。
その事に気が付いたのは、『イベルタル』という化け物との戦闘の時だった。
一瞬で相手から距離を取って、ヒットアンドアウェイを繰り返すことで、伝説のポケモンすら翻弄して見せたその姿を見て、臆病だと思う方がバカだと思うが。
いや、私と『ブロスター』以外気付けていないから、名演技なのかもしれない。
そんな面倒な姉に、ご主人様のお世話を押し付けられて……、私にはご褒美だと知った上でやっているのだから質が悪いと思う。
『とりあえず枕を……』
私が人の姿をしていれば、存分に膝枕を堪能してもらったところだけど、『ポルターガイスト』を使って身体を少し浮かして枕を下に敷く。
折角のワイルドエリアは、別行動のオンバーン、ボスゴドラ。
ピクニックを始めたシャンデラとクレッフィ。
気絶した旦那を眺め続けていたブロスターというカオスな状態になったのだか、彼の旅がまともに終わったことは、一度たりともない。
そんわけで始まったガラル旅、ぐだぐだ始まるこの旅は、いつかに出会った闘士たち。
若きその剣を導くは
全てを両断する英雄の剣
さあ、物語を始めよう。
[9]前 [1]後書き 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:2/2
[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク