ハーメルン
愛こそが最高の宝と信じるラブヒーローはどこか壊れてる
ラブヒーローはあまりに下らない呼び出しに呆れ返る
ルフィはラブヒーローと別れたあの時からも冒険を続け、今では世界政府相手に喧嘩を売り、世界政府直下諜報機関『CP9』を倒す程までに成長していた。
麦わらのルフィ。
海賊狩りのゾロ。
泥棒猫のナミ。
黒足のサンジ。
わたあめ大好きチョッパー。
悪魔の子 ニコ・ロビン。
そして今は諸事情により抜けている、狙撃の王様そげキングことウソップ。
なかなかの粒揃い。
他の海賊に比べ人数は圧倒的に少ないに関わらず、その総合戦力は、グランドライン前半の海ではトップクラスと言ってもいいほどに高まっていた。
麦わら海賊団がエニエスロビーで、スパンダム率いるCP9を倒し。
ウォーターセブンにて、これからの海を航海する新しい船の完成を待っている時のことだった。
「起きんかァ〜!!!」
麦わらの一味が宿泊しているホテルに、海軍の英雄こと海軍中将『モンキー・D・ガープ』が訪れていた。
「い!? 痛ェ〜!!」
サンジやチョッパー、フランキーが応対するも、何もできず。
部屋の奥で座ったまま爆睡していたルフィの顔面をガープが殴り飛ばした。
座っていた椅子どころか地面にヒビが入るほどの勢いでぶん殴られたルフィは、頭を抑え悶絶する。
「痛え!? ゴムにパンチが効くわけ......」
黒足のサンジが困惑した様子でそう叫ぶ。
彼らはまだ知らないが、広い広いグランドラインには、悪魔の実の能力を貫通してダメージを与えられる技が存在するのだ。
「暴れとるようじゃのぉ、ルフィ......ん?」
コロンと。
ルフィの懐から、深緑色の宝石が一つ、転がった。
「......!」
それを見て、ガープは恐ろしい形相に顔を変え。
「ルフィ〜〜〜!!!! なんでこんな物を持っとるんじゃァァ!!!!」
「ギャアアアアア〜〜〜!!!」
二発目の愛ある拳が、ルフィの顔面に突き刺さった。
ガープ、ルフィが共にある程度落ち着......くわけもなかった。
「ルフィ! お前と言う奴は、赤髪に続いて次から次へと〜〜!!」
「痛ェ! やめてくれ爺ちゃん〜!!」
ルフィの胸ぐらを左手で掴み上げたガープが、右手でボカスカとルフィの顔を殴る。
ゴムに打撃は通じない......筈なのに、見るも無残なほどルフィの顔面はボコボコに腫れ上がってしまっている。
「この緑色の宝石を誰から貰ったんじゃ!!」
ガープが人差し指と親指の間に挟んだ宝石を、ルフィの目に押し付けんばかりに見せつける。
「し、白いおっさんに貰ったんだ!」
「どこにいた!!」
「ふ、フーシャ村を出てすぐの島!!」
「何ィ!? そんな所に奴がいる訳あるかァ〜〜!!」
「ギャアアアアア!!!」
再び殴られるルフィ。理不尽である。
意味不明な状況にサンジやナミ、チョッパー、フランキーは身動きもできない。
海軍の英雄ガープがルフィの祖父だったと言うのも驚きだが、そのガープが恐ろしい形相でルフィに詰め寄っているのだ。しかもルフィが偶に手のひらで弄んでいた緑色の宝石を持って。
[9]前話
[1]次
最初
最後
[5]目次
[3]栞
現在:1/4
[6]トップ
/
[8]マイページ
小説検索
/
ランキング
利用規約
/
FAQ
/
運営情報
取扱説明書
/
プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク