『VERMILION&PLATINUM DANCE』
【1】
部屋に、重い沈黙の帳が舞い降りた。
アラストールの言葉を通して語られた、
DIOの途轍もない存在に全員が感応し、
その場にいた全ての者が言葉を閉ざすこと以外を余儀なくされる。
その重苦しい沈黙の中、ようやくジョセフが口を開く。
「あの日……君がズタボロの姿で帰ってきた夜……
そんな事が在ったのか?
強敵だとは言っていたが、
その相手がまさかあの、『DIO』だったとは……」
動揺を隠せぬ表情で、脇にいるシャナを見るジョセフ。
「すまぬな、盟友よ。
隠すつもりはなかったのだが、
機が来るまで黙って置いた方が良いと我が言ったのだ。
もし真実を知れば、
お主の性格上すぐさまに屋敷を飛び出し、
彼の者に挑み掛かって行きかねんのでな」
「む、う……そ、それは」
違うと否定したかったが、
確かにアノ時「本当の事」を聞かされていたら
果たして自分を抑える事が出来たかどうかは正直自信がない。
何しろ『波紋使い』ではない普通の人間である妻のスージーですら、
惨たらしく傷ついたシャナの姿に動転し、
“次からは私も一緒に付いていくッ!”
と言って聞かなかったのだから。
「……」
承太郎は、鋭い眼光で
シャナの胸元のアラストールを見つめていた。
「なるほどな。
この空条 承太郎に喧嘩を吹っ掛けてくるだけあって、
なかなかヤりやがるみてーだな。
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