ハーメルン
才災勝作ANOTHER STORY
才災一家の一日

 その日。才災の妻子は夫の赴任先に来ていた。
 久々に会えた父と共に歩く士道。



「腹が減っただろう?折角だから帝楊学園の学食で食べていくか?」
「いいの?!」

「あら、大丈夫なの?部外者よ。」
「許可は貰っているから大丈夫だ。」
「学食なんて、何年振り…」


 数えようとした月美だが、即座にそれを取りやめる。考える気が失せたからだ。
 何時までも若いままでいたいのだ。


「ここが…帝楊学園かぁ」
「日本でも指折りの名門だ。通いたかったか?」
「いや。今の学校に不満はないよ」


 父の後について歩くことしばし。


「ここが、学食…。思ったより普通だ」
「それはどうかな?」
「…えっ。」


 券売機に表示されている値段に、言葉を失う士道。

「…結構良い値段するのね」
「今日は父さんが出すから、好きなのを食べたらよい。遠慮するな。」


 士道はハンバーグランチセットを、月美はトリュフパスタランチセットを。
 才災はステーキランチセットをそれぞれ注文する。



「何だろう、これ」
「フォアグラだな。」
「これが…。」


 じっくり味わう息子と、器用にパスタをフォークで巻いて食べる月美。
 最初の一口をしっかりと飲み込んで、呟く。

「麺類は、麺その物の味わいを楽しむ物…だからこそざるうどんやざるそばを日本人は好む…。パスタも同じだと思っていたけれど、麺とソースがここまで見事に絡み合うとこんなに味わい深くなるのね…。」


 月美は息子に話しかける。


「しばらく、夕飯はパスタだから」
「えっ。」


 妻の凝り性な性分が出た事に才災は思うところはあったが、とりあえず目の前のミディアムレアのステーキを味わう事に集中する。


 昼食を済ませ、校内を案内していると、才災の前に見知った顔が現れる。



「こんにちは、斎王先生」

 斎王 賢人(さいおう けんと)。帝楊学園の教員である。


「こんにちは。奥さんとご子息ですか?」
「ええ、そうです。」
「…ふむ。どうでしょう、私とデュエルしてくれませんか?」
「それは…」


 やるなら息子と、と思っていた才災だが。


「父さん、受けてよ。」
「挑まれた以上、受けるべきよ。」
「…わかった。受けよう。」





「「デュエルッ!!」」

才災 ライフ4000
手5 フィールド 
    魔法・罠 
斎王 ライフ4000
手5 フィールド 
    魔法・罠 


「先攻は貰います、ドロー!私はカードを2枚伏せてターンエンド」



才災 ライフ4000
手5 フィールド 
    魔法・罠 
斎王 ライフ4000
手4 フィールド 
    魔法・罠 伏せ2



「私のターン、ドロー!サイバー・ドラゴン・ドライを召喚!バトル、サイバー・ドラゴン・ドライでダイレクトアタック!」

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