ハーメルン
稲妻の料理は毒舌な少女達と共に
風邪の竜と仲がいい3人

「……ゲホッ! ……頭痛い。怠い、喉痛い」

 雷狼竜、風邪である。

「大丈夫? 狼君!」
「何でましろがここにいるんだ」
「いつもの事だよ! ほら、横になって」
「そいや鍵の位置わかるんだもんなお前」
「あ、竜兄! 体調大丈夫?」
「いやー、まさか竜が風邪引くなんてね」
「な ん で い る ?」
「「ましろに呼ばれた!!」」
「私が呼びました。本音言うと私だけで看病したかったんだけど、料理とか出来ないからリサさん達に手伝ってもらおうと思って……」
「……そうか、ありがとう3人とも」
「食欲ある? これ作ったから食べて!」

 そう言って出されたのは……

「さて、ここで材料と作り方紹介するよ! 玉ねぎ、ニラ、キャベツなどお好みの具材をカットしてね!」
「リサ、なんかこのラーメン赤いんだけど」
「フライパンに胡麻油とおろしニンニクを入れて、ちょっと焼いたら具材も入れて焼くよ!」
「ねぇリサ、何で七味唐辛子入ってるの?」
「ある程度炒めたら水を入れて、ユッケジャンとか七味唐辛子とか、ハバネロとか辛いものをお好みで入れようね!」
「リサ様、今までの非礼謝るのでこの健康状態でこれだけは勘弁してください」
「麺を茹でてさっきのスープに絡めたら完成だよ!」
「あこでも簡単に出来ちゃうんだ!」
「私でも、出来そう!」
「え? 冗談とかドッキリとか……無いんですか?」
「その名も、喉の痛みにトドメの一撃! ピリ辛野菜ラーメンだよ!」
「ピリ辛のピリって言葉知ってる? これ獄辛だよ?」
「「「実食!」」」
「……んぐんぐ……あっ……美味し……辛ぁぁぁぁ!!」

 雷狼竜。料理で初めての昇天である(天国の階段)

 ♪♪♪ 

「……殺す気かよ」
「「「ごめんなさい」」」

 風邪なのに激辛を食わされた竜は普通に怒っていた。

「何で風邪なのに激辛食わされなきゃならんのだ」
「……正直に言っていい?」
「なんだよ?」
「いつも遅刻してるから仮病かと思ってた」
「……え? リサ? マジなの? いや、そんな訳ないよな? 冗談だよな、おいあこちゃんましろ目そらすな……え? ガチで?」
「「……うん」」
「……すんません」

 雷狼竜、日頃の行いである。

「いや、待て。俺は頭痛いとか言ってたぞ!?」
「口ではいくらでも言えるんだよ?」
「ましろお前真っ先に心配してくれてたよな?」
「口ではいくらでも言えるんだよ?」
「こんな時まで毒吐かなくてもいいんだよ?」
「一応念のためリサさん達に連絡したけど、正解だったね」
「一応は要らないよね」

 ましろ相変わらずの竜に対して毒を吐くスタイルである。それでも幼馴染か? 

「……ゴホッ……寝るわ。辛かったけどめっちゃ美味くて箸進んだ俺も悪いし」
「竜、(から)いのか(つら)いのか分からないからひらがなで言って」
「からい」
「誰に需要あるのかなこのひらがな表記」

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