竜と剣の本音
あこが竜兄と会ったのはましろを通して知り合ったから。
最初は男の人なんて初めて会うから怖かったけど、ましろが懐いてるから悪い人じゃないのかなと思った。
「……雷狼竜だ……ましろとは幼馴染、よろしくなあこちゃん」
「は、はい……よろしくお願いします……」
あこの闇の力を持ってしてもこの雷を司る狼には勝てそうに無かった。だって、男の人だからあことましろより背が高いし。
怖くて何を話せばいいか考えていると、ましろがあこの前でこう言った
「あこちゃん……狼君はジン○ウガから由来してお母さんに名付けられたんだって」
「……ブッ!? モ○○ンじゃん!?」
ライブハウスのカフェで飲んでたオレンジジュースを吹き出した。
「……ケホッ、ケホッ、……そ、それ本当なの?」
「おいましろ確かにそうだけどそれ知ってる人間どれだけいるのよ」
「大丈夫だよ狼君。あこちゃんゲーム好きだから」
「フフフ!! アハハハハ!!」
「笑いすぎやろ」
どうやら本当だったらしい。彼曰く彼のお母さんが決めたらしいのだが、その理由が
「コイツ産まれてすぐ髪の毛逆立ってんだけど、珍しいな……そうだ、今決めた、雷狼が苗字ならもう竜一択だろ!」
そんなノリだったらしい、彼のお母さんもモ○○ン知ってたんだって。しかも奇跡的に外は雷鳴ってたらしい。天変地異だね。
「そんな偶然ある?」
「記憶なんかねぇよ、産まれてすぐなんだから。でも、母さん曰くそうなんだとよ」
「なんか奇跡だね」
「雷狼竜って検索かけたらガチでいた時の俺の心境を答えろや。しかも、結構人気なモンスターだし、なんかカッコいいし、文句言えねぇんだわこれが」
「アハハハハ!!」
「笑いすぎやろ」
そんな会話をしたからかあこの彼に対する恐怖心は無くなっていた。
それからましろを通してNFOって言うゲームイベントをりんりん(Roseliaの黒髪清楚巨乳兼キーボード担当の白金燐子)と3人で回ったり、ましろと3人でカフェに行ったり、なんなら竜兄とは学校が同じだから勉強を教えてもらってた。
本当は『りゅうにぃ』って呼びたいけど呼びにくいから『たつにぃ』って呼ばせて貰ってる。でも、竜兄は文句も言わないであこに付き合ってくれている。
だからこそ、あこは竜兄が大好きなんだ。
「あこちゃんゲームやろうか、あんまり得意じゃねぇけどよ」
「あこちゃん、ここの台詞は王の玉座を退け、我こそが闇の王になる。の方がラスボス感あるよ」
「あこちゃん、ましろと仲良くしてくれな。あいつオドオドしてるけど、根はいいやつだし、話したら面白いぞ、厨二病で」
「刺すよ」
「げっ、ましろいつからそこに……ゴフッ」
「アハハ! 竜兄ましろに殴られてる!」
そんな言葉をかけてくれた竜兄、ましろやリサ姉だけじゃなくあこの事も見てくれている竜兄。そんな竜兄が頼れて、カッコよくて、撫でてくれる手が温かくて……だからあこも、いつか竜兄に頼って貰うんだ。
今はあこが頼りないから保護者みたいな目で竜兄は見るけど、いつか絶対竜兄に頼られるような女の子になる。だってあこは……闇の王に相応しいのは稲妻を纏いし悪魔の狼竜だから。
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