第5話:2人のアグネス
「どういうことなのトレーナー?」
僕がトレーナールームに行くと、知らないウマ娘が2人も居た。トレーナーは僕の為に頑張って、ただでさえギリギリなのに。
「1回落ち着いてくれテイオー。話せば分かる!」
僕の目の前にトレーナーは現在正座中。白衣を着てる娘はおやおやと言う顔でこちらを見ているし、ピンク髪の娘はハワワワとテンパってる。2人とも何か知ってる特徴なんだよね……
「ふ〜ん……それでどういう理由なのさ」
そう言うとトレーナーはホッと胸を撫でた。
「1週間テイオーの走りを見て、俺1人実力じゃあテイオーを強くしてやれない……それを強く実感したよ。かと言って1人担当に対して実績のない俺にはサブトレーナーはつかない。そこで、ルドルフに相談したらアグネスタキオンを紹介して貰ったんだ」
すると、さっきまで横でこちらを見ていた娘の1人が前に出てきた。
「私がアグネスタキオンだ。訳あってトレーナー君と契約する事になった。なーに安心してくれていい、君の指導の邪魔はしないさ。そういう約束だからね」
トレーナーと契約したってことは担当ウマ娘ってことだよね。という事はトレーナーがアグネスタキオン……タキオンのトレーニングを考えるって事じゃないの?
「そこに居るタキオンとアグネスデジタルには1つの約束を条件に契約をしてもらった。それはお互いの自由だ」
お互いの自由?余計ワケワカンナイんだけど。強くなるために、勝つために契約したんじゃないの?
「いやはや、私も学園側から除籍勧告を受けていてねえ。私は長らくトレーナーをつけずに、レースにも出ていない。しかし、それは私の本意ではない。そこで、彼から君のデータ収集をする事を条件に私自身の目的の為に契約しても自由にしていいと約束してくれた」
思い出した!カイチョーたちがよく話てた。スピードは1級品で走ればとっても速いのに、トレーナーも付けずにレースにもでないウマ娘が居るって。名前もアグネスタキオンって言ってた気がする。
「わっわたしはウマ娘ちゃんたちの観察を自由にしてても良いって。変わりにテッテイオーしゃんの観察を頼まれたんですう」
もう1人のピンク髪の娘の理由イマイチよく分からない……トレーナーに視線を送ると、しっかりと説明し始めてくれた。
「彼女はアグネスデジタルだ。先週テイオーのことをちょくちょく見に来てたから気になってルドルフに調べてもらったんだ。ウマ娘なのにウマ娘オタクな珍しい変わったやつだが……その観察眼は並のトレーナーを上回る」
変わったヤツって……大丈夫なのかな。トレセン学園に居るって事は問題は無いんだろうけど。
「えっと、じゃあ2人は名義上はトレーナーの担当のお手伝いさんってこと?」
「簡単に言えばそう言うことだね」
タキオンはそう言うと席を立って出口に歩いていった。
「どこか行くの?」
「言っただろう?私は君の走りのデータを取るって」
デジタルとトレーナーも一緒に動き始めた。あれ〜?僕は3人にじっくり見られながら走るってこと?見られるのは嫌いじゃないけど……なんか小っ恥ずかしいなぁ。
その後は、僕の走りを確認しながら3人で何か話していた。タキオンは何やら色々と機会を持ち出してたけど。
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