ハーメルン
White and white(PSYCHO-PASS)
白いあの人
・・・・・・・・・
「――白髪の男と…少し日本人離れした顔立ちの男…」
「やる事やれば報酬を与えるって!矯正施設にも連行されずに匿ってやるってアイツらは――」
「俺はこんな酷いことしたくないって…俺は何もしてないんだ!」
「――"あの人"が」
「"あの人"に――」
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┈┈┈┈┈
――公安局ビル 尋問室
先日の浜辺での事件。捕らえたヘルメット集団全員を尋問していく。
支離滅裂なことを言う者、明らかに嘘を言う者。
しかし全員共通して口にしていた言葉――
"白髪の男"
恐らくはマキシマという男だろう。
桜霜学園でやっと尻尾を掴んだあの男――
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「…どいつもこいつも自分勝手なヤツらだ。」
デスクのモニターに映し出される尋問データ。狡噛は見逃すことなく全てに目を通すが"自分勝手なクソ野郎"共の記録に睨みをきかせる。
全員尋問にかけた結果、結局今回の事件の目的も分からず終い。
"ただ弄ばれただけ"――そのような結果しか得られず怒りさえ覚える。
マキシマと思われる男の有力情報を掴めることも無いまま、一係のメンバー全員が頭を抱えていた。
「少女2人を暴行、強姦――目的はなんだったんすかね?」
「そもそも何故あんな怪しい場所に近づいたのか…。地図にも載っていない、まともな警備さえ敷かれていない、完全に穴だらけの危険な場所よ。」
縢と六合塚も同じく尋問内容に目を通す。
結局、何が目的で起こった事件なのかはっきりわからないままだ。
「ねーねーコウちゃん。あの場所って家の近所だったんだろ?元々よく行ってたとか?何も知らねえの?」
「近くの防犯カメラを何日も遡って確認したが立ち寄った形跡はなかった。俺も住んでいた頃、あんな場所があることは知らなかった。」
縢の問いかけに即座に答える狡噛。残っている記録映像を事細かに確認したが舞白が近寄っていた形跡は一切ない。そもそも人通りが少ない場所でもあったため、人影さえ疎らだった。
「――そもそも舞白は防犯カメラもスキャナーもない所に安易に近づかない用心深い賢い子だ。知っていたとしても無闇矢鱈に近づかない、絶対にな。」
「さっすがギノさん。舞白ちゃんの事ならなんでもお見通――」
「縢。呑気なことを言ってる場合じゃない。」
「すんませーん…」
元々用心深く、危険なことに手を出さない舞白。それは兄と同様に宜野座も理解していた。昔から危険なことには手を出さない。誰よりも用心深く勘も良い。
自分から危険を分かった上で近づくような…そのようなことをする可能性はゼロに近い。
「えっと……同じく被害者の花橋咲良さん。彼女は色相の悪化は見られましたが今は元に戻って通常の生活を送っているみたいです。」
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