トラブルはトラブルを引き寄せる
列車内
丸太を運ぶための荷台が数輌と客室2輌で編成された車内。一人の少女はD06地区の地図を見ていた。データで送られている物と確認して相違がないか確認する為だ。データは少しだけ古く道路が数本増えている程度で案外問題なかった。
「あとはこれをリーさんに渡すだけ。急ぎの案件じゃないし直接手渡しした方がいいか。」
彼女の愛銃である三分割にしたM109ペイロードをガンケースにいれ背中に背負いD06地区へと降りていった。
鉄血やE.L.I.Dと言った脅威に一度もあった事がない地区。たまに野盗がでるぐらいの平和な地域。これといって調べる事が無い。しかし、最近何かと行方不明が多い。
何か変な事でも起こらなければいいのだけれども…。
あと、オマケに指名手配犯の件もだ。D02地区の警備網を潜り抜け近場の魚の養殖場で窃盗働く、更に包囲されても突破される。
コマンドーかなんかかって疑いたくなる。一応顔写真や名前で情報収集はした、正規軍にも話を通したが一切の過去が分からない。まるで突然とこの世界に現れたかの様な。
そんな一級危険人物だ。
とはいえバッタリと当人と遭うなんて宝くじで一等当たるぐらいの確率だ。そんな訳で駅を降り駅前の活気ある屋台が立ち並ぶ所へと出た。
ひとまずリーパーと合流、集めた情報を共有して改めて調査を……。
「ペイロードお久しぶりデース!」
「もっきゅもっきゅ…もっきゅもっきゅ…」
「ッッッ……!!?!?(なんでそうなるんですか?!)」
手配書と瓜二つの赤い髪の女がリーパーの隣でハンバーガーを頬張る姿がある。思わずデータを確認するが瓜二つ所か同一人物だ。
「リ、リーちゃん…?そこの… 一人と〜 いつ出会ったのかな?」
「カナデさんとはこの地区に来た初日に強盗一緒にやっつけたデスよ。それとパチンコとスロット教えて貰ったデス!」
頭を抱えた。
胃が痛み始める。
よりにもよって宝くじで一等当たる並みの確率を引いた。しかも更に自分の不手際でリーパーは気付いていない。
ここは一旦何も知らないふりをしよう。隙をついて護身用で持って来たスタンガンで気絶させよう。鉄血ハイエンドにも効く強力な物だが一般用まで威力を調整出来る中々便利な物だ。
「あはは…、カナデさんね。リーパーがお世話になっています。大丈夫でしたか?リーパーは無邪気で子供っぽい所がありますから」
「もきゅ……んぐっ いや、むしろこっちの方がお世話になってるぞ。得体の知れない私の為にお金と寝場所をくれたんだ。本当にありがたいよ」
「そのお小遣いはほぼご飯代に消えちってるデスけどね〜 胃袋めちゃくちゃデカいデ〜ス……」
「腹が減って何とやらって言うからな。こんな世の中だ食える時に食っとかなきゃダメだろ?」
「そ、そうですね…」
ハンバーガーの紙包装の数からもう20〜30個は平らげていらる。それでも尚余裕の表情で食べようとしていりる。ハッキリいっておかしい。
「そうそう、赤い装甲の何かヤベェ奴とか知ってるか?」
「え?ちょっと分からないですね。」
「そうか。」
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