第三話
自転車で追いかけながら大声で呼び止めたという状況は有り得る。
しかし、「車に飛ぶやつ」とは何のことだ。撮影以外でまさかそんなことをする人間を柊は知らない。
「あ。ここで止めてもらっていいですか」
柊の方を向いて青年はそう言った。
道端にはカゴが潰れたママチャリが転がっている。
ここは青年がスタジオ大黒天のワゴン車に飛び乗った場所だった。
「何かあったら電話しろよ、景。黒山さんと柊さんもさようなら。ここまで送ってくれてありがとうございました」
「うん。またね」
車から降りた青年は自転車に乗って帰って行く。
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