ハーメルン
PSYCHO-PASS Sinners of the System[case.4 再会の白] ーReunited with White
兄を知る者
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「ナイフ、リボルバー銃…
スコープも入れた、ライフルもOK
弾は…こっちのポケットと…」
営業が終わった店内で、ゴソゴソと準備を整えれば
テソンが丁寧に乾かしてくれた分厚いコートを羽織る。
大きなリュックやライフル銃を背負えば
顔を覆うマスクを手に取り、
背後で舞白を見守っていたテソンへと振り返る。
「色々とお世話になりました、テソンさん」
深々と頭を下げ、手に持っていたマスクを被る。
「…本当にそうやって見ると
可愛らしい女の子には見えないよ」
「へへへ…可愛らしい女の子…」
鼻まで覆われたマスク。
兄に似た切れ長の瞳と、特徴のあるホクロしか見えない。
可愛らしい、と言われると照れるように頭を搔く。
「気をつけるんだぞ
…恐らく道中も危険が待ってる」
「今まで危険なことだらけでしたから慣れっこです
必ず攒をぶっ壊してきます」
手袋を外し、グッと拳を握ると
テソンへと向け前へ突き出す。
「大丈夫、私強いんで」
それに応えるように、テソンも拳をぶつけるのであった。
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月明かりにてらされる寂れた町。
明け方ということもあり、人は誰ひとりとして歩いていない。
雪を踏む度にサクサクと音が鳴れば、
余計に静かな町を寂しく感じていた。
向かう先は舞白も想像できないほどの場所。
どれだけの傭兵がいるのか、ボスは誰なのか
どれだけの人々が囚われているのか、
分からないことだらけだった。
「とりあえず今日中に山1つは超えないと…
あまり人が多いところに長居するのも危険だろうし
町はさっさと抜けてこう…」
ビュウッと強い風が吹く度、厚着をしているとはいえ
寒さを感じる。
足を取られないようにしっかりと踏み込みながら
舞白は先へ先へと歩みを進める。
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スラム街やゴーストタウン。
舞白が行く先々はどこも同じように
荒れ果てていた。
隠れるように、身を隠す人々や
物騒な武器を手に徘徊する傭兵。
シーアンの他にも様々な紛争地を巡ってきたが
明らかにこの地域は危険度が高い。
舞白はできるだけ目立たないように
町を1つずつ越えていく。
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「…とりあえず、今日はここで休もう
思ったより進めたはず…」
山岳地帯にたどり着き、岩場の間にちょうど良い場所を見つけると
荷物を置き、枯れ木を積めば火をおこす。
冷えきった体を暖めようと焚き火に手を伸ばす
時刻は16時過ぎ、まだ微かに夕陽に照らされていた。
山岳地帯から見下ろす雪原地帯はとても美しく、
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