ハーメルン
PSYCHO-PASS Sinners of the System[case.4 再会の白] ーReunited with White
任務完了



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「…美佳ちゃん、六合塚さん
一体何をしたんですか?
志恩さんから何となく話は聞きましたけど……」

帰りの車内にて、常守は2人に問いかける。
理由は明白だった。


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「専用車の無許可利用に倉庫内スピード違反
誰も怪我はありませんでしたが
……常守監視官、部下の再教育をよろしくお願いします
そして捜査協力は次回からは令状を用意してください!
私達も大切な薬品を扱っていますので
そこのところ、ご理解頂きたい」


あの温厚な一宮が人が変わったかのように
常守にキツく言い放った。

確かに、言われるようなことを行ったのが悪いのだが
一宮の焦り方、まるで別人のように顔色が変わり
広報の舟橋も慌てた様子だった。


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「唐之杜分析官があの倉庫の異変に気づいたんです
…その場所に行って調査をしていたら
慌てた様子で一宮が現れた」

六合塚がギリギリ撮影した扉、ロックされた装置を送信すると
常守は眉を顰める。

「その地下に何かある
でも残念ながら、中まで調査は出来なかった」

「大量に箱が積まれていて
他の従業員たちにも分からないように隠されているようでした」

霜月と六合塚は、明らかにあの場所が怪しいと勘づいていた。


「さすがにあの様子だとまた捜査協力は難しいでしょうね」

常守は送られてきた画像から
発信機の追跡画面に切り替える。


「でも、目的は無事達成したわ
…これで、なにか掴めればいいんだけど…
あとはダンゴムシの解析結果に期待するしかなさそう」

デバイスをオフにすると
視線を外へと向ける。

そして暫くすると
ハンドルを握っていた雛河が言葉を発す。

「……結局あの赤い薬品……何かわからなかった……」

暴走しかけた雛河は
霜月にこっぴどく叱られ、どことなくシュンっと落ち込んでいる様子。

あの赤い薬品については何処にも手がかりはなく
雛河が追いかけていた情報は結局掴めず、
もしかすると、トランスペアレント社は白なのかもしれないと
自分自身を疑心暗鬼していた。

「まだ捜査は始まったばかり、焦らなくて大丈夫よ
とにかくやる事はやったんだし、皆お疲れ様……」

4人の乗った車両は
厚生省へと戻って行く。


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厚生省公安局 分析室

唐之杜は咥えていたタバコを灰皿へ押しつぶす。
ダンゴムシがハッキングした情報をモニターへ映し
怪しげな数字の羅列を見つけ眉を顰める。


見ていた情報は
トランスペアレント社の薬品の輸送先一覧。
大学病院から小さなクリニック、薬局、
小中高校、老人ホーム、ありとあらゆる場所の名前や住所が
何千、何万件と羅列されていた。

「……埒が明かないわね……

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