ハーメルン
PSYCHO-PASS Sinners of the System[case.4 再会の白] ーReunited with White
負の連鎖
・・・・・・・・・
「…………」
意識を取り戻し
ゆっくりと瞼を持ち上げる。
微かに光を感じ、顔を左横に動かすと
窓から陽が射していた。
そして右横に目を移せば
助けた少年が地べたに座り首をコクコクとさせ、
眠気と戦っているようだった。
「…確か撃たれて……あの人が助けてくれた……」
体をゆっくり起こすと見覚えの無い景色。
先程の小屋と同じようにかなりボロボロだが
全く違う建物だと気づく。
首の傷も浅く、ガーゼが当てられていたが
すでに出血も止まっており、痛みも少ない。
かけられていた毛布を剥がし、少年へとかけると
それに気づいた彼は目を覚ました。
そして嬉しそうに目を見開き声を上げる。
「……っ!白髪の姉ちゃん!起きた!!」
大声で舞白が起きたことを知らせるように叫ぶと
部屋の外から足音が近づいてくる。
コンコンっとノック音が響き、扉がゆっくりと開く。
「あら、早い目覚めね」
「……花城……さん」
花城は舞白へと近づき、しゃがめば首の傷を確認する。
問題ないと分かれば、巻き付けていた包帯を解いていく。
「あの……すみませんでした、ご迷惑を……」
頭を深々と下げる花城へと向き直る。
すると花城はフフっと笑みを零すとこう話す。
「本当に無茶するのね、"兄妹"揃って」
「……え?どういう…」
花城はただ笑みを浮かべるのみ。
再び立ち上がると少年に1階に降りるように伝える。
「一先ず、あの人たちを引き渡さなければならないの
あなたが無茶して助けた人達ね
ほら、さっさと起きて手伝いなさい」
問いかけに答えることはなく
部屋から立ち去る。
舞白は追いかけるように1階へと降りていく。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
舞白が撃たれてから数時間が経過しており
既に時間は朝の9時を回っていた。
身を隠す場所を変え、保護した対象者達の健康観察を行い、
花城とまた、目的の為に既に様々な情報を得ていた。
そして以前舞白が乗り捨てた車両に
花城は保護対象者達を乗せると小屋の前に立つ舞白に声をかける。
「私はチベットの境界までこの人たちを送らないといけないから
あなたはそこに居なさい」
「……」
「何よ、また戻ってくるから
気になるんでしょ?私の話」
花城は笑みを浮かべれば運転席の窓を閉め車を発進。
どちらにしても彼らの情報を聞いたであろう花城から離れる訳にも行かず
舞白は言われた通りに小屋で待機をすることに。
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┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
外務省のとある別部隊に
保護した人々を引き渡す。
中には薬物により酷く精神を壊した者。
ストレスにより言葉を発すことができない者、など
様々な問題を抱えていた。
そして全員に共通していたこと、
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