ハーメルン
PSYCHO-PASS Sinners of the System[case.4 再会の白] ーReunited with White
良いコンビ
・・・・・・・・・・・
港区四丁目 港南地区
ひと仕事を終えた霜月と宜野座は
休憩がてら車を停めて、
海を眺めていた。
宜野座はなんの気なく住宅地に目を向ける。
目線の先は、見慣れた低層マンション。
狡噛兄妹の住んでいた家、
今もあの時のまま、所有者は狡噛慎也。
目の前の浜辺はあの時舞白が事件に巻き込まれた場所に
続いていた。
そして霜月はいつもと様子の違う宜野座に気づくと
口を開く。
「元刑事課、狡噛慎也の妹、その友人が巻き込まれた事件
ここからすぐ側ですよね」
「…あの事件に関しては箝口令が敷かれているんだが
もしかして調べたな?霜月」
「狡噛舞白に関しての事は全部調べさせてもらいましたよ
唯一分からないのはID情報の閲覧制限Lv5の部分だけです」
相変わらずの調べ癖に、宜野座は微かに笑みを浮かべれば
マンションから視線を外し海を眺める。
「…実は俺もあいつに関してのことは調べ尽くした
でも、結果として大した情報は得られなかった」
「宜野座さんと狡噛舞白ってどういう関係性なんですか?」
霜月は車に寄りかかり両手を組むと横の宜野座に視線を向ける。
シーアンの時も、少ししか様子は見られなかったものの、
舞白と宜野座の関係性は何か違うものを感じていた。
「どういう…って
まあ……妹みたいな存在だ」
「…嘘でしょそれ、絶対嘘です」
「何だ、いきなり?」
「今は休憩中なので勤務外ですから
それに、私もたまには部下と…プライベート、というか
普通の会話を……」
どこかバツが悪そうに、ごにょごにょと言葉を誤魔化す霜月。
再び視線を海へ戻すと、宜野座は霜月の変化に、心の奥底で微かに嬉しさを感じていた。
「珍しいな、そんなことを言うなんて」
今まで、監視官と執行官、という立場で大きな壁があった霜月。
しかし、最近は彼女も変わろとしているのか
そんな姿勢が、日々の部下との関わり方で感じられていた。
「舞白の事、気になるのか?」
「…正直、境遇がかなり似ているので
興味はあります」
史上最年少で監視官に抜擢された2人。
そして霜月は幼なじみを、舞白は親友を
槙島の手により殺害されていた。
そして2人が同期で、監視官として、働いていた可能性は十分あった、
「霜月と舞白が、もし監視官として一緒に働いていたら
きっと良いコンビだったと思うぞ」
「………」
「あいつは傍から見るとただの天真爛漫な"少女"
霜月とは正反対の性格だ
…だが、時に奇想天外な行動を起こす、
自分のことは二の次、突発的に行動するからな」
「絶対無理なんですけど、振り回されるの確定じゃないですか
…先輩と一緒……」
「いや、常守ともまた違う
……何ていうか……面白い奴なんだよ、舞白は」
"舞白"という名前を口にする度、どこか儚げになる宜野座。
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