ハーメルン
【完】転生したら倒産確定地方トレセン学園の経営者になってた件
エセ理事長、不満の多さに絶望する
「フム、フムフム、なるほど…これはこれは興味深い…」
山積みされたアンケートに囲まれながら、俺は一枚一枚手に取って読んで確認し、出された意見をまとめていく。
丸一日かけて読破した俺は、アンケートの山を見て一息つく。
はぁ~~~~~~つっかれ!(クソデカため息)
無茶苦茶足腰が痛い。転生前の現場労働終わり並みに疲れた。
こんな時は、ピクシブでも開いて推しのイラストを眺めて尊み成分を補給したい……!
のだが、この時代はピクシブどころか、気軽に利用できるインターネット自体がまだ無いのだ。
ウィンドウズ何だったかはよくわかないが、現代のような薄いタイプではなくて、この時は分厚くて、しかも物理的にも動作的にも重いうえ、数十万円もするというそんじゃそこらの家電よりもバカ高いもので、現代に慣れた俺からすると骨董品のようなものが主流品で驚くばかりだ。
まぁ黎明期だから仕方がない。このまま後10年もすれば、まともに使えるパソコンが出てくるだろうと考えれば、今はどうってことはない。
また、インターネットが主流になる時代になればグローバル化が進んで、この暗く寂れた地方に陽が当たる日が来るだろう。
そうすれば、旭川市依存を解消できるきっかけになるかもしれない。
というかそうしなければならないのだ。
とにかく、インターネットや掲示板サイトが大衆化し始める2000年代までの辛抱だ。
また、大衆化し始める前から知名度があると尚良い。98世代のころにはすでに掲示板なるものはあるので、少々フライング気味かもしれないが、90年代後半から本格参入の準備を…いや、今から始めてしまってもいいかもしれない。
まぁそんなことはさておき、俺はまとめた意見をもう一回見直していた。
「え~っと、職員は"給料上げて"、"残業代をもっと増やして"、"レースの賞金金額を上げて"、"寮の共同洗濯機の数を増やして"etc…」
と、かなりの数の不満が寄せられた。よっぽど溜め込んでいたのだろう。
やはり…というか案の定内容として多かったのは、金に関するものだ。
中央のトレーナーの年収は、あまり活躍していなかったとしても千万近くのものが多くいる。
その理由は、様々な分野で手当てがつくからだ。
レース出走手当なり、トレーニング推奨補助金なり、チーム援助金なりで様々な事で金が入るのである。
もちろん、入る金が多い分出る金も多い。アニメの沖野トレーナーのように、主に担当におごったり、補助金対象外のものを買ってプレゼントしたりするのが挙げられる。
また、おハナさんのようなリーディングトレーナーの場合、担当がG1などといった重賞で勝ちまくれば、トレーナーにも数割ほど賞金が入ってくるので、1億を超える場合もあるとのことだ。
そんな金のように光り輝く中央とは対比するのが、ここのような地方だ。
たとえリーディングトップをとるような(地方基準で)一流トレーナーだったとしても、1000万を超える事例は少ない。
理由はやはり、地方そのものが金がないからだ。
中央はメイクデビューで数百万貰えるのに、こっちは重賞で十数万ほどだ。
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