ハーメルン
TS転生者リコリスは赤服だけにはなりたくないそうです。
羽の様に軽いんですよ、色々と。
宵の天蓋遥かなり。私は今、ビルの屋上に立っています。人気の少ないシャッター商店街の脇道に建つテナント待ちビルの一室を眺めながら。
「え〜、デルタ2よりデルタ1へ。そちら変化は?」
私の片手に通信機。私は向こう側の彼女に確認を取りました。彼女は今覗き込む部屋の手前であの鷹の様な目をギラギラ光らせている筈です。
私のもう片手にはピストル、俗に言う
ボ
(
・
)
ル
(
・
)
ト
(
・
)
ア
(
・
)
ク
(
・
)
シ
(
・
)
ョ
(
・
)
ン
(
・
)
ピ
(
・
)
ス
(
・
)
ト
(
・
)
ル
(
・
)
と言うヤツです。ある国で規制を回避する為に生まれたピストルで、包み隠さず言うとストックを取り外してバレルを切り詰めたボルトアクションライフルですね。威力は当然折り紙付き。
何でそんな物を持っているのかと言えば、この世界での私の趣味が拳銃の収集だからです。不思議な拳銃は見ていて面白いんですよ。リベレーターにコリブリ、対戦車ピストルとか。まあコレクションとしてではなく、武器として使う場合もあるんですが。お陰でリコリスの正規品のウェポンラックランドセルじゃなく、本当にただのランドセルが必要になる時もままあります。
『こちらデルタ1、取引現場に人影無し。ここは外れです』
「……分かりました。今から合流します」
井ノ白
(
※井ノ上
)
さんとの初仕事は、DAが割り出したいくつかの麻薬取引の現場を見張り、取引が行われた場合に襲撃する事。……でしたが、この場所は外れ。どうやら別の場所で取引は行われている様です。
結局、私と彼女は臨時のコンビを組む事を選びました。理由の1つは弱みがあるからではありますが、セカンドのツテで情報収集が出来る事、何かしでかしても彼女に功績を押し付けられる事、後地味に重大問題だったのが、
メ
(
・
)
モ
(
・
)
代
(
・
)
わ
(
・
)
り
(
・
)
になる事です。
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