ハーメルン
とあるオタク女の受難(ジョジョの奇妙な冒険編)。
第10話

○月ゑ日

私は恐ろしい。

人間を超越する、そう言ったディオ・ブランドーは弾丸に撃ち抜かれたというのに死なず、本当に人智を越えた何か(・・)になってしまった。

そして、私の〈レヴィー・ブレイク〉は抜粋した『文章』を直接埋め込まなくてはいけない。幸運にも、そう本当に幸運なことに、ジョースター卿が死ぬ前に能力を使えたのは良かった。

あと数分、私が人前で能力を使うのを躊躇っていたらジョースター卿は死んでいた。ジョースター邸が燃える最中、私はジョナサンがディオ・ブランドーを女神像に突き落とすのを見た。

これで終わったの?

そう私が呟くと同時に窓を突き破って出てきたジョナサンに這いずりながら近づき、『重度の』火傷を『軽度の』火傷にすり替える。

よかった、生きてる。

○月<日

私はロバート・E・O・スピードワゴンと一緒にジョナサンのお見舞いへ向かう。少し渋さの増していたので、切羽詰まっていたので私もあの時の彼だと気がつかなかったけど。

こうして、また会えて嬉しい。お父様は破落戸と言うけれど、私はロバートが好きなのだから仕方がないと諦めてほしい。

ジョナサンの病室の前で止めてもらう。ロバートが不思議そうに首を傾げるので、ドアの隙間を指差す。部屋の中を覗いたロバートも納得する。

もう、ジョナサンたらエリナと会えたことが嬉しくて怪我しているのも忘れてるわね。でも、その気持ち、私も分かるから今は帰りましょう。

そうロバートに伝える。彼も同感らしくクールに去るぜとお見舞いの品をドアノブに引っ掛け、私の車椅子を押しながら病室を後にする。

エリナとジョナサンは結婚するのかな?と考えながら車椅子を押すロバートを見る。

○月→日

ジョナサンのところへ石仮面の秘密を知る男の人が現れたそうだ。ロバートも彼の話を聞くために出ていってしまった。

私も彼に着いていきたいけれど。まともに歩けないようなか弱い女が来るんじゃあねぇぜと言われ、私はお屋敷に残っている。

ジョースター卿はお屋敷の再建築が終わるまで、お父様と一緒に緑豊かな土地で療養生活を送るらしく、お屋敷には私しかいない。

どうして、そのことを知っているのか。

それは分からないけれど、私の目の前にディオ・ブランドーがいる。私と同じように車椅子に座り、私に〈レヴィー・ブレイク〉を使って治療しろと言うのだ。

その代わりに永遠の若さをやろう。私は若さに興味もなければ永遠なんてものもいらない。さっさと出ていかないと『死』を挟み込むわよ。

こんなハッタリが彼に通用するとは思えない。だが、ロバートが言ったように、まともに動けない私では彼を倒すなんて絶対に不可能だ。

私が素早く動けてディオ・ブランドーに触れることが出来れば良いのだが、如何に〈レヴィー・ブレイク〉が『加速』『高速』を抜粋したところで、私の両足じゃあ動きを制御することが出来ない。

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