7月1日 その①
「しらないな」
「はぁ……」
「おい、こっちを見てため息をつくな。傷つくだろ」
「そんな繊細な心の持ち主なら、とうに友人関係を諦めているでしょう?」
「おまえな……」
→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→
「この後生徒会室に入った後、加害、被害両サイドの関係者と担任。それから裁判官の代わりでもある進行役の生徒会役員での案件についての事実確認等が行われることになる。何か質問はあるか」
職員室前で茶柱が今後の流れを承太郎と須藤に説明していた。
「例のアレらは俺のタイミングで出せるんだな?」
「ああ、事前の提出は必要なものの今回の件に限らず、会議では生徒たちの主体性や自主性が優先されている。それも実力のうちということだ」
「俺は打合せ通りでいいんだよな?」
若干緊張気味の須藤は、気まずそうに承太郎に尋ねる。
「ああ、それで問題ねえぜ」
「ちょっと癪だけどよ、空条の話もわかるし今回は乗るぜ」
茶柱は二人を一瞥する。
「他に話はないようだな、では向かうとしよう」
職員室のある1階フロアから階段を3つ上がった4階。
教室の入り口には「生徒会室」のネームプレートが刺さっている。
茶柱先生は生徒会室の扉をノックした後、その中へと足を踏み入れた。承太郎たちもそれに続く。
生徒会室の中には長机が配置されており、ぐるりと長方形を作っている。
今回相手取るDクラスの面々とその担任、坂上先生はすでに着席していた。
「遅くなりました」
「まだ予定時刻にはなっていません、お気になさらず」
担任同士、短い挨拶を終えると両者間に立つように待っていた二人の生徒会役員が席についた。先ほどから眼鏡をかけた男子生徒の方の視線が承太郎を監視し続けているが承太郎は意に介することなく席についた。
「それではこれより、1年Cクラス須藤くんに対する重大事案——いじめ案件に関する確認を生徒会及び事件の関係者、担任の先生方を交え審議をとりおこないと思います。進行は、生徒会書記、橘が務めます。見届け人として生徒会長堀北が同席します。よろしくお願いします」
←To Be Continued
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