無人島へ行こう その②
「ど、どうするんすか?」
「追い出されれば潜伏して、妨害に徹しろ。物の場所を変えたり、可能なら盗んだりしてな。疑心暗鬼で内部崩壊してくれれば最高だ。空条以外はカスだからな」
「入れたらどうすんのよ」
「警戒するのはむしろその場合だ。スパイと見越して泳がされる可能性が高い。その場合、俺たちの潜伏がバレかねない。人間関係の観察を中心に証拠を残さない様に妨害しろ。無理なら居るだけでいい。居るだけで食料やらでポイントを浪費させられる」
理解度に差こそあれど皆頷いて話を聞いていた。
「連絡はマニュアルにあったトランシーバーで行う。お前らはどこかに埋めてリーダーを探し当てたら連絡しろ。それから伊吹てめえはリーダーを探さなくていい」
「は? なんで?」
「空条なら俺と同じ事は思いついているはずだからだ。今は気にしなくていい」
「あっそ」
「ところで龍園氏、肝心の葛城氏がどこに居るのか心当たりはあるので?」
「ああ、やつなら洞窟に向かってるだろうよ」
なんでと尋ねる伊吹を無視して龍園はひとり森の中へと姿を消していったのだった。
そしてしばらくして洞窟から降りてきたであろう道で葛城を発見した龍園は接触する。
「おいおい、Aクラスのリーダー様がこんなところで何してんだよ」
「お前は龍園! 葛城さん、こいつは色々と黒い噂の絶えない危ないやつです」
外野が煩いが葛城の顔色が優れないのを龍園は見逃さない。
「お前こそどうした龍園」
「ククク、その様子じゃ洞窟はBに取られたか?」
「ど、どうしてそれを……」
「弥彦! 黙っていろ」
「図星かよ。ま、そんなお前らを救済してやるべくきてやった訳だが」
「……何を言っている」
龍園の思惑通り葛城は焦っていた。
しかもここにきてBクラスが先回りしていた事で拍車をかけている。
平常時の彼であれば聞く耳すら持たなかっただろう。
巡り合わせが悪いのか、はたまたこれが運命というものなのか。
葛城は悪魔の提案に耳を貸してしまったのであった。
←To Be Continued
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