無人島へ行こう その④
無人島へ行こう その④
「此処からはいくつかのチームに別れてうごく。まずは高円寺が抑えたスポットを確認、8時間ごと更新する最もハードな班、更新時以外は次の二つに入る事になる。ひとつは生活に必要な食料や材料の調達班、残るはホームを守り、料理なんかを中心に行う班だ」
洞窟の入り口に近い日の光のある場所に円陣を組みBクラスは会議を行なっていた。
奥まで空間が続くが寝床以外の用途で使うのであれば灯りが必要になる暗さだ。
洞窟内で火を焚き続ければ一酸化炭素中毒の危険があるためランタンなどの備品の購入も検討せねばならないだろう。
Bクラスの面々は承太郎の話を聞き首を縦に振る。各々が希望を考える間を置いて決を取る。
「更新組は他クラスへのカモフラージュと確実な更新のために固定メンバーでそれなりの速度で移動する。体力に自信のある奴に頼みたいぜ」
ハードルを一気に上げる承太郎だが、実際1日に3回の更新と夜中に起きることも考えるとスタミナという体力面以外にも精神的な体力も必要だ。
目の前に置かれたハードルを見て尚挙手をするメンバーに言い出しっぺの承太郎、静かな武闘派三宅、承太郎の視線で渋々挙げた綾小路、ムードメーカー平田、そのほかに運動部の男子3人だ。
須藤は実働時のみ参加予定で、この場は池達と行動を共にすることにする。
「平田は残った方がいいんじゃ無いか?」
名乗りを挙げたメンバーを見て意見したのは幸村だ。
「ホームにいるべきとまでは言わないが、女子のこともある。居てくれた方が助かると思うんだが」
「確かに平田くん居たら頼りになるよね」
「さんせー」
平田はどうしたものかと承太郎を見る。人数的には充分だった事、幸村の意見の妥当性を鑑みて承太郎は首肯した。
「ありがとう、残る方がクラスに貢献できるならそうさせて貰うよ」
その後、解散後の行動班が決定され購入物品厳選が始まった。
事前に洞窟内を抑えられたことと男子の強い意志により配布されたテントを2つとも女子に、追加購入で1つ10ポイント使うテントではなく男子は10人分3ポイントのエアマットを2個購入する事にした。
衛生管理品として20ポイントの仮設トイレとシャワー、5ポイントの調理器具セット。その他に1ポイントの救急セットや洞窟内を照らすランタンなどの購入を全体で確認し、ホーム待機班が他に有用性の高いものが無いか検討する運びになった。
「まずはこの先だ」
地図を見ながら承太郎を先頭に歩いていく。
スポットの数を全体共有はしていない。高円寺の大きすぎる功績に胡座をかかれるのは困るという承太郎と平田の判断だ。
そのためこの更新班にも緘口令が引かれている。
「って、おいここ崖じゃねえかよ!」
確かに地図には続きがあるが、一見するとサスペンスドラマのラストシーンばりの崖。
一寸先は闇ならぬ海だ。
「あそこにあるのハシゴじゃ無いか?」
一同で周囲に何かないか探すと綾小路が何かを見つけたらしい。
そのハシゴを降りるとログハウスというよりは物置小屋といった風体の建物があった。
中にはBクラスが占有していることを示すパネルと2本の釣り竿と投網が置かれていた。
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