ハーメルン
転生したけど、転生特典は一部遅れて与えられるらしい
旅の始まりの前に



「えっ!?フェザー・ホーネットまで従えてるの!?」


「あ、うんそうだよ」


 《テレパシー》で1番前のやつに話しかける。


『調子どう?ヒメさんもみんなも元気かい?』


 ヒメというのはフェザー・ホーネット軍団を従える女王バチのような存在だ。


『はい!みんな元気に甘い蜜を作ってますよ』


『元気なら良かった』


『ところで情報収集の依頼はないですかね?』


 フェザー・ホーネットは素早く飛ぶことができる。また、温厚な気性をから、人は彼らに対してほとんど脅威認定していない。そのため近くの魔物の湧き場である迷宮や村の様子を観察してもらったりしていた。


『今のところはないね……』


『あ、あと俺この子と旅に出ることにしたからさ。しばらくここには来ないよ』


『なるほど……しばらく会えないのですね』


『ま、なんかあったら《テレパシー》送って俺んとこに来て。位置は分かるだろうから』


『了解、ヒメにもそう伝えておきます』


『頼んだ。じゃ、俺たちもう行くから』


「サラ、屋敷に旅の許可取りに行こうか」


「……また飛ぶ?」


「いや。こいつらのうちの誰かに乗って行く。サラはこいつに乗ったら?」


 サラのモフりから解放されたオーカを指さす。


「こ、この子に?いいの?」


『ということで、頼んだオーカ』


『あいよ!お嬢は俺に任せとけ!』


 いや、オーカよ。お嬢ってヤクザかよ。


「いいってさ。乗っていいよ」


「お、お邪魔します……?」


「わぅんわぅん」


「ちゃんと乗れた?」


「うん」


「落ちるかもしれないからちゃんと掴まっときなよ〜」


『……炎帝。乗ってもいい?』


『じ、自分ですか?』


『あ、乗られるの嫌だった?』


『そんなことありません!自分では役不足かな、と思いまして……』


 いや、君が役不足ならリーダーのオーカ以外全員役不足ってことになるからね。


『いやいや、それはないから安心して。じゃ、乗るよ?』


『は、はい!』


 んー、相変わらずフカフカだねぇ。


『ん、よし……じゃあ、村の方に向かって』


『了解です!』


 炎帝は走り始めた。どんどん加速していくが、木にはぶつからないように上手く走っている。俺も最初は木にぶつかるんじゃないかとヒヤヒヤしてたがこいつらは上手く全部避けるし、この運転(?)に慣れた。


「えっ、木にこれぶつからないよね……キャアアア!」


 これ俺が飛んで抱えてるほうがましだったかな……。判断ミスったな。









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