ハーメルン
転生したけど、転生特典は一部遅れて与えられるらしい
新しい都市でも楽しもう

「ここが最大都市『グリンファード』か」


 あれから屋敷を出て1時間。グリンファルド家領最大都市と名高い都市『グリンファード』に着いた。検問所もアルーナの町とは桁違いに大きく、衛兵も多い。


 検問所を通り抜けて入場するとまず人の多さが目につく。これもアルーナの町とは比べものにならないくらいの人の多さだ。活気がすごい。


「とりあえず宿を決めないとね……」


 そう、泊まる場所を決めなければいけない。ほぼ無料で泊まれる冒険者用の宿舎はあるが、そこには泊まりたくない。汚くはないけど狭くて、部屋によっては窓がないらしい。閉鎖感のある場所で長時間過ごすのは俺にとって苦痛だからそれだけは避けたい。


「あ、それならいい宿あるよ。1回泊まったことある宿なんだけど」


「お……そこ、ひとり1泊どれくらいか分かる?」


「うーん、確か最低で金貨5枚くらいだったかな……」


 はい、そんな宿泊まれません!1泊ふたりで金貨10枚とかそんなこと泊まれる金銭的な余裕僕たちにはありません。一応金貨90枚くらいあるけど、これから旅をしていくうえで貴重な資金を浪費はしたくないからね。


「そこは泊まれそうにないね。さすがに高すぎるから他を探そう」


「冒険者ギルドに行ったら宿の情報教えてくれるかな……?」


「ああ、それは考えてなかった。ギルドに行こうか」


 金を稼ぐために依頼も受けないといけないからね。良さげな依頼があれば受けようかな。


「うん。ギルドの位置は知ってるからついてきて」


 サラについていってしばらくすると、一帯の中でも突出して大きな建物があった。


「ここがグリンファード冒険者ギルドだよ」


「おお、すごい大きさだね」


 カランコロン。

 アルーナの町でも見なかったくらいの大きさである。3階以上はありそうだ。


「おう、見ねえ顔だなお前さん。かわいー子連れてんじゃねえか」
「室内で帽子被ってて暑くねえのか?」


 俺は銀髪は目立つから隠すために大きいベレー帽みたいなものを被っている。半分程隠せていないが帽子が珍しいのか珍しいらしい銀髪を隠す(?)ことができた。


「サラ、聞いてくるからそこの待ち合いで待ってて」


 冒険者ギルドには街のインフォメーションセンターのような場所がある。アルーナの町にもあるが、それはここに比べると小さなものだった。まあ大きいので待ち時間はほぼなく、俺の番が来た。


「ご用件は何でしょうか」


「えーと……グリンファードの都市マップってありますか」


「都市マップですね。ございますよ」


 机の下から1枚の紙を出す受け付けの女性。


「これが都市マップです」


 都市マップには飲食店や宿、役所などの施設が載っている。


「ありがとうございます」


「お役に立てて、何よりです」


 貰ったマップを持って少し離れた位置にある待ち合いに向かう。

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