ハーメルン
転生したけど、転生特典は一部遅れて与えられるらしい
新しい都市でも楽しもう
「だから、私は待ってる人がいるんです!」
「こんなにかわいー子を待たせる男なんかぜってーしょうもねえ男だから。オレたちといた方が楽しいぜ?」
「色々世話してやっから」
「ぜってー楽しーからオレたちと行こーぜ、な?」
異世界人すごいメンタル強いんだね。人目のあるところで大声でナンパできるなんて。俺にはこんな芸当到底できないよ。
「お待たせ、サラ」
「そんなに待ってはないけど……」
ナンパ男3人衆に対して目線を向ける。
「なあなた兄ちゃん。この子借りてもいいよな?」
リーダー格の男が威圧してくる。そんなの答えは決まってる。
「うん、無理」
「あぁ"?てめえみたいなブスに拒否権はねえんだよ!」
この顔でブスなら君たちはもう醜いレベルだと思うけどね。でも言われっぱなしは嫌だから帽子をとる。周りがざわめいている。
「はは。ごめんね、俺あんたらと同類じゃないんだ」
3人衆は固まっている。格下だと見下していた俺がこんな美青年()だとは思わなかったのだろう。
「あとこれ俺の持論なんだけどさ、女に断られても粘着する男はしょうもないよ」
「じゃ、サラ。行こっか」
「う、うん!」
そう言って俺の腕に抱きつくサラ。あれ、なんか距離感近くないですかね。
「ちょ、ちょっと待てや!」
「オレたちCランクパーティ《一撃槍》を馬鹿にしてタダで帰れると思うなよ!」
「オレたちと決闘しろ!」
「ボコボコにしてやる!」
これは俺が受けないと騒ぎ続けるやつだね。別に逃げれるけどこれは金を稼げるチャンスかもしれない。
「あー……はいはい。分かったから。あんたらは俺に勝ったらこの子を好きにしていいよ」
「え!?」
「その代わり俺が勝ったらあんたらの所持金全部もらうから」
こうやって言えばこいつらも受け入れるだろうな。これが無理だったら逃げます。
「いいぜ!受けてやる!」
「ボコボコにしてやんよ!」
「受けたことを後悔するんだな!」
笑い声をあげながら地下にある闘技場に向かう三人衆。彼らが地に伏すまであと5分()。
ギルドの地下闘技場は基本的に自由に使えるものだ。祝日には冒険者同士の戦闘や魔物と冒険者の戦闘などのイベントが行われているらしい。ステージの周りの観客席もほぼ満席になるくらい人気のあるイベントらしい。
冒険者同士の決闘も、イベントのない日にはできるらしい。現に今、それを有観客で始まろうとしているわけだが。
「おいおい、お前素手なんかで大丈夫なのかぁ?」
「負けた理由の言い訳作りにしては早すぎんなぁ!」
「そんな実力でよく決闘しようだなんて思ったな!」
武器出さなかっただけでそんなに言う?素手で大丈夫だけど、そんなに言うんだったら使ってあげようかな……昨日の朝に貰った(?)刀剣!
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