14話 【炎上】彼氏バレ鎮火完了!
炎上戦隊燃えるんじゃーと言う運営に喧嘩を売りまくった配信をした翌日、俺は久しぶりに事務所に呼び出しをくらった。
呼び出しを食らった俺は年甲斐も無く妹の足に抱きつき、
「絶対クビ宣告だから会社行きたくない!」
と半泣きで言うが、それを自業自得と一蹴して真冬はちゃんと事務所に行きなよと、告げそのまま学校へと向かってしまった。
推定クビ宣告と、かわいい妹の冷たい態度のダブルアタックで落ち込んでいたが、それでも時間は誰しも平等に過ぎていき、いつの間にか呼び出しされた時間が近づき、俺は重たい腰を上げゆっくりと事務所へと向かう事にした。
そして都内某所にあるユメノミライの事務所が入っているビルに着き、そのまま事務所がある階層にエレベーターで向かった。
その最中に電話が鳴り響くスタッフさん達の仕事スペースを横切った際、この電話はもしかして昨日の配信のせいなのでは?と考え全身から嫌な汗がこぼれ落ちる。
いや、きっとコレは偶々今日ユメノミライの運営に連絡する人が多いだけだ、と自分に言い聞かせる事で何とか逃げずに前へと進む事ができた。
そして、呼び出しがあった部屋の前に来ると、俺は手鏡で自分の姿を確認して、問題がない事が確認できると、震える手で扉をノックした。
すると中から渋い声でどうぞと一言言われて、俺は失礼しますといい中に入ると、そこには見たこともないスーツ姿の男性が複数人長机を挟んだ反対側に座っていた。
それを見た瞬間俺の体は自然ととある姿勢をとっていた。
それは、 ジャパニーズ"土 下 座"だった。
「昨日の配信の件申し訳ありませんでした!!どうか、どうか、クビだけはお許しください!!」
昨日の配信での態度は何処へやら、俺はどうにかユメノミライをクビにされない様に、何のプライドもなく頭を地面に擦り付けて、なんなら靴も舐める勢いで、部屋の外まで聞こえるほどの大声で叫んだ。
そしてその様子を静かに見守っていた、スーツを見に纏った男性の1人が話しはじめようとすると、その続きを聞きたくなかった俺は、
「今日「すみませんでしたァァァァー!!」……」
「わざわ「申し訳ありませんでした!」……」
「君「どうかクビだけはぁぁ!」……」
全力で邪魔し続けた。
だがそんな俺の必死な抵抗も時間が経つごとに効力が弱まっていき、5分ほどで無力化されてしまった。
そうして俺の抵抗虚しくスーツ姿の男性が、ようやくかと話し始めた内容は、俺の想像していたものとは全く違う話だった。
それもそのはず、俺は今さっきまでずっとクビ宣告をされると思い精一杯話の邪魔をしていたのに、現在今俺に向かって言われた言葉は、クビの2文字では無くつらつらと言い訳を並べてはいたが、それは正真正銘謝罪だった。
「へ?」
状況がよくわからず困惑していると、そんな俺を置いておいてスーツ姿の男性達は難しい言葉を並べながら色々と話し始めたのだが、そのほとんどがアジェンダやらグローバルなんたらやら、サスティナブルなどのよくわからない言葉をつらつらと重ねられたせいで、全く頭に入ってこなかったが、何となく分かった事を要約すると
「謝るから、昨日の配信を消してくれってことか?」
先程までのクビにされると思って、ビクビクしていた姿は何処へやら、昨日の配信内容を全く理解していない運営の態度に、俺は呆れ言葉が自然と強くなっていた。
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