19話 ホムラガールズ爆誕 その1
ユメノミライの二期生の御旅屋ノマドのせいで、昨日から大変俺が燃えているのだが、それ以上に昨日ノマドが俺の配信に出たことによって、昨日の記念配信がノマドのファンによって大量に再生され、そのおかげでたった一晩でアーカイブの再生回数が20万回を突破したので、俺の頬は緩み切っていた。
それを真冬に見られて若干気持ち悪がられたが、今の俺にはそんなものダメージは一切なかった……うん、本当に無かったよ……きっと、ごめんやっぱ……きついわ
という訳で真冬からの気持ち悪いお兄ちゃんと思われた部分を払拭する為にも、お仕事頑張るぞ!と意気込み俺は、園野さんからもらった資料に書かれている個人勢の配信を見始めた。
◯
「は、じめま、してココメヤンで……す!」
一番最初に開かれた配信は登録者数が97人のココメヤンさんだったのだが、初っ端から配信での音質の悪さが気になり、初配信だからかな?と思い最新のアーカイブを見たところ、初配信から1年以上経っているのにも関わらず音質の悪さが一切変わっておらず、俺は資料に書かれている名前の横にバツ印を付けて、ココメヤンさんの配信を閉じた。
◯
「でね…………………………へーそうなんだ……。」
次に開いたvtuberは静香さんで登録者は521人いて、個人勢の中ではそこそこ多いなと思ったが、配信内での静香さんの声の綺麗さから何となく登録者の数には納得がいったが、それ以上に
「コイツ全然喋んねぇな……」
そう配信のほとんどが無言で、たまに話したとしても声が小さく聞きづらかったので、俺は静香さんの名前の横にもバツ印を付けた。
◯
「皆んな知ってる?実はさぁタピオカって芋なんだって、私あれシカのフンだと思ってたんだよね!あとさ……」
ペラペラとマシンガントークをするのは、神木梅と言う梅をモチーフにしているvtuberで、自分でガワを描いているのか個性的な見た目をしており、その見た目のせいか何と登録者数はまさかの12人と凄く少なかったのだが、音質もトークも今までチェックしてきたvtuberの中でもかなりの上位に入るので、俺は神木梅さんの名前の横には丸印を付けた。
◯
その作業を合計で38人分行い、最終的に俺は38人の中から3人に絞り込んだ。
1人目は、見た目が少し個性的だが企業勢顔負けのトーク力の神木梅さんで、2人目がテレビでも通用するレベルの歌唱力を持つオンプさん、最後が見た目から声に話し方全てがTHEメスガキな桃咲姫花さんの3人だ。
途中から真冬も
「夏兄の部屋から色んな女の声が聞こえる」
ともし両親が仕事で出ていなかったらまたしても家族会議が開かれそうな事を言いながら、俺の部屋に乱入してきて、俺の隣に自分の部屋から椅子を持ってきて、一緒に配信を見ており、オンプさんを見た時はその歌のうまさから、すごいすごいと興奮しながらパソコンの画面に指差してはしゃいでいた。
はぁぁ!俺の妹かわぇえ!!
と声に出したら気持ち悪がれるだろう事を考えながらも、俺は出来る限り冷静に真冬の頭を撫でながら、そうだねと真冬の意見を肯定した。
その後満足したのか真冬は椅子を持って自分の部屋に帰り、その様子を見送ってから俺はその3人にコラボしてくれませんか?という文面を出来るだけ丁寧に送った。
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