8話 真冬とのデート
外出用の服に着替えて財布とスマホその他諸々を持って玄関に向かう。
玄関に着くとそこには可愛らしい服を着て準備万端な真冬がまだかまだかとうずうずして俺の事を待っていた。
「お待たせ真冬」
「夏兄今日は何処に行くの?私ここに行きたいんだけど!」
そう言って真冬が見せて来たのは最近の若い子達に人気そうなワッフルが売っているお店だった。住所を見てみると今から行く店の近所にあるそうなので特に問題はないだろう。
「真冬それだけでいいのか?もっと高い所にも今日の俺なら連れて行けるぞ?」
ぎっちりとお金が入った財布を見せながらそう言った。
「もう夏兄は全然わかってないんだから。お金さえ貢げばいい女なんて今の時代もうほとんど居ないよ。今はそれよりトレンドよトレンド!」
「トレンド?ああ、あれだろ?タピオカ」
「夏兄」
「どうかしたか?」
「ちょっと古い」
「そっか」
自信満々に知ったかしてしまったのがバレて少し恥ずかしかった。こんな事になるなら知ったかなんてするもんじゃ無いな。
その後親父から借りた車に乗り込み、真冬が最近気に入っていると言っていたグループのCDをかけ、それを2人で口ずさみながら家を出た。
車で2時間ほどかけたころ周囲に高いビルなどが増えていき、ザ都心という感じになって来た。
そしてまずは今日の目的の一つであるモニターを買いに知り合いがやっている電気屋?パソコン屋?の様な店にやって来た。
「じゃあ俺はパパッとモニター買ってくるから」
「夏兄私も行ってみたい」
「ん?別にいいけどあんまり面白いもんは無いぞ?」
そんな風に2人で話していると店の中から1人の男が出てきた。
「面白いもんが無くて悪かったな夏」
そう言って出て来たのは高校の頃の同級生だ
「応、久しぶりだな松下。あとこれから妹とデートだからなんか安くていい感じのモニターをくれ」
「へーじゃあこの子が真冬ちゃんか」
「えっと初めまして藤堂夏の妹の真冬です。よろしくお願いします。」
「これが夏の妹か、すんげぇ美人だな」
「あげねぇぞ。それよりさっさとモニターを寄越せ」
「俺にはかわいい彼女がいるから必要無いぞ。それとモニターは前のやつと同じ奴でいいか?」
「面倒だしそれでいいや。いくら?」
その後は前と同じ型のモニターを買い、お店を後にした。
買い終わった車の中で真冬がこっそりと松下について聞いて来た。
「さっきの人って夏兄の友達?」
「ああ高校の時のな。それとアイツは俗に言うアニオタって奴でさっき言ってたかわいい彼女ってのもなんかのアニメのヒロインだったはずだぞ。まぁ俺が知ってるだけでも30人以上居るけど」
「それって浮気じゃないの?」
「さぁ?まぁvtuberのガチ恋勢みたいなもんだと勝手に思ってるから取っ替え引っ替えしてるんじゃ無いんじゃないかな?」
「何かそう聞くと凄いクズですね」
「まぁな」
そんな話をしながら車を走らせていると真冬が行きたがっていた店が見えた。
「真冬あの店で合ってるか?」
「うん、そこそこ」
「なら近くの駐車場に車止めてからゆっくり行こうか」
「うん!」
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