2話
…でも知ってる?噂によると、政治家に転身するとか」
その言葉に、ポロッと手からポテトを落とす舞白。
どうやらショックだったらしい。
「…え?嘘でしょ?
政治家?だってそうなったら…もうアイドル活動とかしなくなるでしょ…」
「そりゃそうだと思うわよ?詳しくは分からないけど…」
ガックリ肩を落とす舞白に、"たかがそんな事で"と可笑しくてついつい笑ってしまう。
「ちょっと!笑わないでよ!
…やっと日本に帰ってきて、小宮カリナが歌って踊ってるのを見て、すごく嬉しかったのに…」
「まあまあ、政治家になれば、運がよければ関われる日が来るかもよ?
そう考えれば悪くないんじゃない?」
「…確かに…」
パッと顔を上げ、直ぐに気持ちが切り替わる。
どうもそれがツボに入ったらしく、霜月はケラケラと笑い始める。
「そうだよね?確かに!
…でも外務省ってあんまり関係ない気が…。
でも最悪、美佳ちゃんにサインを頼めばいいか?」
ポンッと手のひらに拳を打ち付け、閃いたような表情を浮かべる。
その様子に、霜月は未だに笑い続けていた。
「そんなに笑わないでよ!
…もう恥ずかしいから、やっぱり曲止める!」
「別に聴いたらいいじゃない!」
車内はギャーギャーと盛り上がる。
仕事の時では考えられないほど、穏やかな光景。
同い歳だからこそ、そして全くキャラが違うからこそ、ここまで仲良くなれたのかもしれない。
2人はそう考えていた。
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