5話
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公安局刑事課一係 刑事室
特に何も事件も起こらず、平穏な1日。
常守をはじめ、他執行官たちは黙々と職務をこなしていた。
そんな常守に届いた、舞白からの一通のメール。
それを開いた常守は、クスクスと笑みを浮かべていた。
「ふふふっ…」
静かな空間に常守の笑い声。
執行官たちは不思議そうに視線を向ける。
「どうした?常守
…いきなり…」
宜野座は不審に思ったのか、声をかける。すると常守は自分のデスクから立ち上がると、皆の元へと歩み寄り、デバイスを操作する。
「可愛い私の後輩達ですよ」
執行官たちに1枚の写真を表示。
その写真を見た全員が微笑ましそうな表情を浮かべていた。
「この子達、なんだかんだ良いコンビですよね。
美佳ちゃんとツーショット写真なんて、普通撮らせてくれないわよ」
「…霜月監視官…、こんな顔…」
「霜月監視官の照れ顔……これはレアですね…」
六合塚、雛河、須郷は物珍しいものを見るように、まじまじと見つめる。
傍らの宜野座は同じく笑みを浮かべると、常守へ視線を移す
「俺の予想通りだったな、常守。
この2人は良いコンビになると。」
「私も思ってましたよ?
正反対の2人だからこそ、きっといい関係性になるって。美佳ちゃんに、舞白ちゃんのような関係性の存在ができて、私は嬉しいです」
2人は視線を合わせると、微笑み合う。
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翌日――
午後17時過ぎ―――
「宜野座さん。何ニヤニヤしてるんですか?気持ち悪いんですけど。」
当直の霜月が姿を現す。そして、たまたま鉢合わせた宜野座の顔を見て眉を顰める。
「…いいや、なんでもないさ。
俺は勤務終わりだ、当直頼んだぞ、霜月。」
肩をポンポンと叩くと、刑事室から出ていく宜野座。
「なんなのよ…気持ち悪い…」
出ていく背後を見送ると、デスクへと向かう。
すると、舞白の席のある物をじっとみている須郷の姿が。
霜月は気になり、そっと静かに須郷の隣へと向かう。
「…何度見ても…この顔からは想像できな」
「須郷さん、何してるんです…か…」
舞白のデスク、積み重なった大量の本。
その隙間に置かれた写真立ての中身が変わっていることに気づく。
「し…霜月監視官…」
須郷は突然現れた人物に驚きを隠せない様子。
ハッと後退りすると、隣の霜月の表情を見ては恐れを成す。
「ちょっと……何よこれ…」
舞白と霜月のツーショット写真が早くも飾られていた。
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