ハーメルン
その首置いてけザフト共
デブリベルト救助戦 4



 遭難している可能性がある大西洋連邦の部隊の救助に向かった先で、その大西洋連邦の部隊が国際救難信号を発する民間シャトルを撃ち落そうと追い回しているという想定外の事態に遭遇したユウとミランダ。
 どのような理由があるかは不明だが、例え交戦中の敵国籍であっても民間機に対する攻撃は重大な国際法違反であり、その蛮行を許すことはできないと止めに入るが、大西洋連邦の部隊はあろうことか同盟国の軍属であるユウ達に対しても攻撃を仕掛けてきた。
 再三に渡って友軍であることを説明し攻撃の即時停止を求めるもコーディネイターだからと聞き入れられず、シャトル保護と自衛権の行使として止むを得ずユウは攻撃してくるMAに対して反撃。
 連合同士の互いを友軍と認識した上での同士討ちにより、ユウ達はジンの右足を失い、大西洋連邦も11機のメビウスのうち7機が撃墜され5人の死者を出す事態にまで発展する。

 それでもMA編隊の方は脱出に成功した仲間の保護を行うために離脱した機体以外は攻撃を止めず追撃してきた上に、ミサイルを満載した新手のMA編隊が接近していたため、シャトルの民間人を守るためにも交戦中の編隊の壊滅を考慮したユウだったが。
 そこに異変を察知しジンを飛ばして駆けつけてくれたミハエル機が到着したことで、ミハエルにMA編隊の足止めを任せてユウはシャトルの安全を確保するために急いでグスタフへと離脱していった。

 到着したばかりで状況をつかめていなかったミハエルだが、ボロボロの民間シャトルを抱えてMA編隊から執拗な攻撃を受けているユウ達の機体を見てどちらに加勢するべきかをすぐに判断し、ユウ達を攻撃していたメビウス3機を増援が来る前に瞬く間に撃破。
 リニアガンの砲身を重斬刀で切り落とし、バルカン砲を重突撃機銃で破壊。ついでに推進部にも損害を与え、攻撃能力と行動能力を奪い制圧した。
 艦隊の方から本部に問い合わせたところ大西洋連邦は存在を否定していたので、最悪海賊と見間違えたという言い訳も通るだろうと、警告を繰り返した上で自衛のために戦闘を行ったユウと比較して攻撃にためらいがなかった。
 一応は友軍なので、さすがに命を奪う攻撃はしていないが。

「後ろからきている味方にでも拾ってもらいな」

 置き土産だと最後にチャフをばら撒いてから、ジンをグスタフの方に向けて飛ばし離脱していく。
 30機以上のメビウスからなる本隊が多数の脱落機を出しながら追撃しようとしたが、ミハエルのばらまいたチャフにカメラやセンサー類を潰されたことで2機のジンを見失うこととなり、撤退することとなった。

 蔡瑁の救難信号無視。
 ユニウスセブン追悼慰霊団の搭乗していたプラント民間機に対する攻撃。
 ユーラシア連邦軍所属のMSに対する攻撃。

 後日、これらの件について把握した東アジア共和国やユーラシア連邦などの各国から大西洋連邦に対し非難が殺到するが、それらを大西洋連邦はユニウスセブン跡が残るデブリベルトにて作戦行動中の部隊はいなかった故に無関係であると否定する。
 大西洋連邦の方は死者まで出す事態であったにもかかわらず、あくまでも大西洋連邦軍を語る何者かによる事件であったという姿勢を崩さず、ラクス・クライン暗殺未遂事件には一貫して無関係の立場を取り続けた。
 その裏で味方に撃ち落とされて死ぬという悲劇に見舞われたメビウスのパイロット達の遺族へ、作戦行動中の行方不明として処理された遺族年金が支払われ、事実は闇に葬り去られることとなった。

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