レベル上げは基本
3
どうも、保険もないこの世界で日々が文字通り命がけの毎日のひしがきです。
今日はいつもの仕事ではなく警邏で里の周りをグルグル回ってます。最近どうにも妖怪の被害が続いているためこうして退治屋と一緒に俺が見て回ることになった。
まあ、つまりはいつもと変わんないってことだ。
今は退治屋二人と一緒に里の近くを見てる途中。しかしなんだかこの二人、若い。いやまだ今年で9歳の俺が言うことじゃないが退治屋ってのは結構中年のオッサンとかが多いんだがこの二人は大体二十歳くらいの見た目だ。
「なあ、最近妖怪がよく出るだろ。今度博麗の巫女が里に来るらしいぜ」
「本当か?」
「ああ、この間他の退治屋が話してるのを聞いてよ。なんにしても博麗の巫女が動くのならしばらくは楽になりそうだな」
しかもこの二人、経験が浅いだけなのかそれともただ単にお気楽なだけなのか、まったく周りを警戒していない。普通人里から出るときは誰しもあたりを警戒するものだがこの二人はまるで散歩でもしてるかのようだ。
見回るにしても組み合わせを考えた方がいいと思う。それとも俺と一緒ならある意味で安全と判断したのか、いずれにせよ不安が残る二人だ。
それにしても博麗の巫女、か。以前何度か目にしたことがある。その姿は博麗霊夢ではなかった。知識の中では先代巫女としてあった女性の姿に酷似していた。ならばここは自分が知る東方の世界の過去になるのかとも考えたりもしていたが、今は正直どうでもよかった。
確かに知識の中で知っている東方のキャラクターに興味がないといえば嘘になる。しかし、今の俺は毎日を懸命に生きていかなければならないのだ。たまたまその姿が見れたならああ、これがと思うかもしれないがそれだけだ。
寧ろ関わって余計なことには首を突っ込みたくはない。今は日々の安全が何より大切だ。妖怪と対峙する様になって本当にそれをひしひしと感じる。
ともかく彼らの話によれば近々博麗の巫女が人里を訪れるらしい。それも恐らくは近頃頻繁になった妖怪の出現に関わってのことだ。気を抜くわけではないがこれで少しでも妖怪の出現が減ってくれると助かるのは事実だ。
「それにしても、さ」
「ん?」
「博麗の巫女ってよ、美人だよな」
「…お前もそう思うか?」
「ああ、しかもイイ身体の肉付きをしてる」
…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………。
いきなり話が下世話になったな。
「あれで男っ気がないんだからもったいないよな」
「だな。巫女にそんな色めいた話なんて聞いたことがない。けどもったいないよなぁ、あんだけ美人で器量がいいのに」
「ああ、もしもかなうなら是非一度お相手願いたいもんだ」
「おいおい、あんまり大きな声で言うなよ。万が一誰かに聞かれたらまずいぞ」
けらけらと笑いながら二人は話している。よくもまぁ、そんな口が利けたものだ。博麗の巫女は幻想郷の守護者。ここには3人しか居ないとは言えその神聖なる巫女に対してそんな口を叩くのはどうかと思う。
[9]前書き [1]次 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:1/5
[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク