ハーメルン
幻想郷に中途半端に転生したんだが
ヒャッハー!








博麗。


その名は幻想郷において特別な意味を持つ。博麗大結界を管理する幻想郷の守護者であり、人と妖怪のバランスを保つ調停者。


しかし何より幻想郷に住む人妖からの認識は人からは妖怪から身を守ってくれる存在として、妖怪からは人を守る存在として取られている。


それがある意味では最も厄介と言える。なぜならば博麗は人と妖怪のバランスを保つ者。つまりそれがどちらかに寄ってはならないのだ。


幻想郷は、人間は妖怪を恐れ妖怪は人間に畏れられなければならない。


人間は妖怪が存在する為に必要不可欠な存在。人間が恐れることで妖怪はその存在を保つことが出来る。しかし、ただ人間が恐れ妖怪が思うままに力を振るっては人は絶望し人口を減らしていくだけだ。博麗の巫女は妖怪の抑止力となりそれを抑えている。


では博麗の巫女は人間の味方といえば完全にそういう訳ではない。巫女が退治するのは人間を襲う妖怪だけ。つまり襲わなければ巫女は妖怪を退治しない。それは常に巫女は妖怪の後手に回っているということでもある。


それはある意味で仕方が無い。博麗の巫女が妖怪をむやみに退治しては人は増長する。その結果妖怪根絶を人が掲げ妖怪との全面戦争にでもなったらそれこそ幻想郷は崩壊する。妖怪の好きにさせては人間は逃げ惑い数を減らし妖怪は存在を保てなくなる。


その絶妙な人と妖怪のバランスを博麗の巫女は保たなくてはならないのだ。


もちろんある程度知恵のある妖怪達もそれは知っていた。そして長い幻想郷の歴史の中で力と知性を持つ妖怪達の中ではある暗黙の規則が出来た。


自分達の存在を保つために定期的に人間を襲う。もちろん全ての妖怪がその規則に従っている訳ではない。しかし、その結果として人里はたびたび妖怪の被害に遭いそれを博麗の巫女が解決するというサイクルが続くことになった。









「おおおおおおおおおおおおお!!」


人でも獣でもない姿形の魑魅魍魎。目の前の黒い結界で身動きを封じられた異形の群に向って走る。その数は六。その中でも一番巨大な妖怪の頭めがけて槍を突き立てる。


「があああああああ!?」


深々と槍は脳天に突き刺さっり妖怪は悲鳴を上げる。もがこうにも幾重にも張られた黒い結界が身動きを封じ同時に体を蝕んでいく。


「はあぁ!!」


槍に力を籠め深々と突き刺して妖怪の息の根を止める。それを確認すると次の妖怪へと向き直る。一匹の妖怪が牙を突き立て結界を破りこちらに向ってきた。


牙を突きたてようとこちらへ飛び掛る犬のような妖怪との間に鉄格子のような結界を張る。顔だけをこちらに突き出し胴体で止まる形になった妖怪の口めがけて槍を突き出す。


槍が牙を折り顎を砕く。すぐさま結界で動きを封じ槍を振り下ろし頭を潰した。残りは四匹。内三匹は力が弱いのか結界を破って出てくる気配はない。このまま結界の呪いで殺せるだろう。残り一匹は……。


「ッ!!」


先程まで居た最後の妖怪が姿を消していた。いつの間に結界を破ったのかその姿は見当たらない。

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