プロローグ
ここはトリステイン魔法学院。現在、春の使い魔召喚の儀式の最中。 それは二年次に進級する生徒達が使い魔を召喚、契約し、自身の魔法属性と専門課程を決める重要な儀式。生徒達は自分たちが召喚した使い魔をみて明るい表情を浮かべている。 だがその中で一人だけ暗い表情をした生徒がいた、 杖を掲げながら使い魔召喚のための呪文「サモン・サーヴァント」を唱えては爆破を繰り返していた・・・・・・・・・・・・・・・・
ではなく・・・・・・・・・
ここは砂漠にあるオアシス。
「宇宙の果てのどこかにいる、私の下僕よ!強く、美しく、そして生命力に溢れた使い魔よ!私は心より求め、訴えるわ。我が導きに応えなさい!」
少女は声を上げる。周りの同族から「はあ?何その呪文ホンキデスカ」的な視線が痛い。
(何かな!何かな!他の星から来た魔王とか神の分身の聖女とかもいいなー。
あっ、でも夢見がちな王様とかやたらいい声の戦闘狂とかは・・・ちょっと引くかも・・・・。)
どんどん加速していく少女の妄想、内容が具体的なのは気のせいだろう。煙が収まるにつれて姿があらわになる、そこには。
(男・・?しかも黒髪?)
煙の中から現れたのは十代くらいの黒髪の少年だった。
(うん、近くで見ると変な色の髪、髪は肩まで有る綺麗な黒髪で・・・あれ?)
少年の顔にある違和感にきづいた時、背筋が凍りついた。
「る、ルクシャナ!そいつは!」
ビダーシャルは突然声を上げる。
「何よ、叔父様?今はそれどころじゃ・・うっ!」
ビダーシャルと同じく凍りついた。この感じ、思いっきりハーフエルフだ!
「ハ、ハーフエルフ!」
少年の正体を理解した他のエルフたちが騒ぎだす、子供の頃から植えつけられた人間に対する恐怖は大きい。
「ルクシャナ、取り合えずコントラクトサーヴァントを!契約さえ済ませれば行き成り攻撃される事は無いはずだ!」
「え、ええ!我が名はルクシャナ。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ・・・」契約の呪文を唱え唇を合わせた。
左手に使い魔のルーンが浮かびあがると同時に少年が目をさました。
「・・・ここは?」
「ここは私たちの国、ネフテスよ。」
「ネフテス・・・・・?」
少年は状況がわからず困惑している、因みにルクシャナとビダーシャルを除いたエルフたちは皆50メイル位離れた所から様子を伺っている。
「そうよ。貴方は私のサモンサーヴァントで召還されたのよ。」
少年は虚ろな瞳でルクシャナを見るとそのまま仰向けに倒れ気絶した。
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