ハーメルン
ゼロの異端者 
1

サモン・サーヴァントから数年後。

「・・・・・・・・・青いな。」

ここはネフテス。エルフが暮らす国である。声の主はダルそうに空を見上げる。エルフとは少し異なった姿をした彼の名はサイト。

ザッ

すると物音がした。振り向かなくても、誰だが分かる。いつも自分につっかかってくる幼馴染だ。

「サイト。こんな所にいた。」

やってきたのは幼馴染のエルフ。賢くて、美人だが、好奇心旺盛で、ワガママ。

「あ、お前か・・・・・」

「このサボリ魔。勝手に教室からいなくなって、私がどれだけ探し回ったと思ってるのよ!」

そう言いながらルクシャナはサイトに近づいてくる。

「ほら、立って。」

ルクシャナはサイトの手を掴むと、彼を立たせる。

「アリィーの言ったことなんか気にすることないわ!自信もってここにいていいんだからね!」

その言葉にサイトは落ち込む。

「・・・・・・無理だ。俺は魔法も使えねえし、単純な『コモンマジック』すらできない。なにより・・・」

そう言いながら自分の身体に視線を向ける。

「俺はハーフエルフだ。」

「でもサイトは私の使い魔でしょう!主人の私が良いって言ってるんだから、いいの!」

「ルクシャナ。」

サイトは視線をルクシャナへと向けた。

「最近夢を見るんだ。」

「夢?」

「ああ。見知らぬ場所で見たことのない敵と戦ってるんだ。」

「エルフ?」

「ううん、どっちかっていうと人間に近い。そして俺の隣にはいつも人間の女の子がいる。」

「・・・・・・・・・・・。」

「人間?」

「なんか変わった服装で、頭に変な飾りをつけているんだ。」

「頭?もしかしてそれって王冠の事?」

「王冠?」
















その夜、みんなが寝静まった頃、サイトは目を覚ます。

「!?」

ふと、窓の外を見ると、そこには光り輝く人物がいた。サイトは急いで家から外に出ると、光の人物を追いかけた。

「ハア・・・・・・ハア・・・・・・ハア・・・・」

サイトは気がつくと、人気のない砂漠にいた。そして目の前には光り輝くエルフがいた。

「ハーフエルフ・・・・?なにしてるの、こんな所で?」

「それは、こっちのセリフ。君はエルフなの?それとも・・・・・」

「・・・・・・・・・・。」

少女はサイトの問いに答えず、空を見上げる。

「君は人間とエルフと共存出来ると思う?」

「え?」

「人間は汚い。身勝手で、傲慢で、醜い存在。そしてエルフも同じ。」

「・・・・・・・・・・・・。」

それだけ言うと、少女は歩き出す。

「あ、ちょっと!まっ・・・・・」

サイトは慌てて振り返るが、そこには少女の姿はなかった。

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