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サモン・サーヴァントから数年後。
「・・・・・・・・・青いな。」
ここはネフテス。エルフが暮らす国である。声の主はダルそうに空を見上げる。エルフとは少し異なった姿をした彼の名はサイト。
ザッ
すると物音がした。振り向かなくても、誰だが分かる。いつも自分につっかかってくる幼馴染だ。
「サイト。こんな所にいた。」
やってきたのは幼馴染のエルフ。賢くて、美人だが、好奇心旺盛で、ワガママ。
「あ、お前か・・・・・」
「このサボリ魔。勝手に教室からいなくなって、私がどれだけ探し回ったと思ってるのよ!」
そう言いながらルクシャナはサイトに近づいてくる。
「ほら、立って。」
ルクシャナはサイトの手を掴むと、彼を立たせる。
「アリィーの言ったことなんか気にすることないわ!自信もってここにいていいんだからね!」
その言葉にサイトは落ち込む。
「・・・・・・無理だ。俺は魔法も使えねえし、単純な『コモンマジック』すらできない。なにより・・・」
そう言いながら自分の身体に視線を向ける。
「俺はハーフエルフだ。」
「でもサイトは私の使い魔でしょう!主人の私が良いって言ってるんだから、いいの!」
「ルクシャナ。」
サイトは視線をルクシャナへと向けた。
「最近夢を見るんだ。」
「夢?」
「ああ。見知らぬ場所で見たことのない敵と戦ってるんだ。」
「エルフ?」
「ううん、どっちかっていうと人間に近い。そして俺の隣にはいつも人間の女の子がいる。」
「・・・・・・・・・・・。」
「人間?」
「なんか変わった服装で、頭に変な飾りをつけているんだ。」
「頭?もしかしてそれって王冠の事?」
「王冠?」
その夜、みんなが寝静まった頃、サイトは目を覚ます。
「!?」
ふと、窓の外を見ると、そこには光り輝く人物がいた。サイトは急いで家から外に出ると、光の人物を追いかけた。
「ハア・・・・・・ハア・・・・・・ハア・・・・」
サイトは気がつくと、人気のない砂漠にいた。そして目の前には光り輝くエルフがいた。
「ハーフエルフ・・・・?なにしてるの、こんな所で?」
「それは、こっちのセリフ。君はエルフなの?それとも・・・・・」
「・・・・・・・・・・。」
少女はサイトの問いに答えず、空を見上げる。
「君は人間とエルフと共存出来ると思う?」
「え?」
「人間は汚い。身勝手で、傲慢で、醜い存在。そしてエルフも同じ。」
「・・・・・・・・・・・・。」
それだけ言うと、少女は歩き出す。
「あ、ちょっと!まっ・・・・・」
サイトは慌てて振り返るが、そこには少女の姿はなかった。
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