ハーメルン
ゼロの異端者
5

「ちょっと、サイト!?一体どういう・・・・・・・・・」

「ちょっと、ワリィな。」

サイトはルクシャナを連れて部屋の隅に移動する。

「いいからお前は黙ってろ。」

「だって、妻って。大体、アルビオンって今戦争中じゃ・・・・・・・・・」

「少なくとも蛮人の戦闘レベルは分かるだろ?伊達に蛮人の研究してたわけじゃねえだろうが。貴族だとしても、大した魔法なんかつかえねぇよ。」

「それはそうかも知れないけど・・・・・。でも相手は蛮人よ?嘘つきよ?」

「そうだな。十中八九バックレるだろう。」

「なら!」

「そん時は力づくで連れ去ればいいんだ。正当な権利だろう?連れ去った後は、催眠で大人しくさせておけばいいんだ。」

「・・・・・・・・・・・。」

「お前だって研究には、サンプルがいた方がいいだろ?」

「・・・・・・・・・わかった。でもあくまで研究の為だからね。」

「よし、決まりだ。」

サイトとルクシャナの話はまとまった。

「話はついた。お前はどうするんだ?」

そして呆然としているアンリエッタの方を向く。

「分かりました。でもこちらからも条件があります。」

「条件?」

「どんな時でも、命をもって私を守ってください。実は、私は亜人に命を狙われているのです。」

ギィィ・・・・・・・・・・

すると、きしむような扉の開く音。いつもなら必ずノックがあるはずなのだが。不審に思いアンリエッタがフッと振り向くとそこには

「エアハンマー!!」

杖を構えたメイジの姿が。反射的にルクシャナは防御魔法でなぶる風から自分たちを守った!

ドゴォッ!!

「先住魔法!?な、何者だお前たち!?」

「何者って・・・・・・・・・決まってるじゃねぇか。」

ザワザワと立ち上がる髪の毛。そして覚悟が、勇気が瞳に満ちる。

「俺がコイツの夫だからだッ!」

魔法の威力を見ていても、躊躇うことなくメイジに向かって突っ込むッ!それを見て取ったメイジは迎撃するべく魔法を解き放った。風の刃が3つ。サイトの正面から飛来する。

「ふん!」

だが少年は素早くそれをかわすと、メイジのアゴに拳を叩きつける。

「ぐはっ!!!!」

アゴを砕かれ、その場に倒れこむメイジ。

「チェックメイト。」









サイトは倒れているアンリエッタに手を差し伸ばす。

「俺はサイト。コイツは相棒のルクシャナだ。」

サイトたちは改めて、アンリエッタに向き直る。

「サイトさん、ルクシャナさん、お二人ともありがとうございました。そしてこれからもよろしくお願いします。」

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