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「ちょっと、サイト!?一体どういう・・・・・・・・・」
「ちょっと、ワリィな。」
サイトはルクシャナを連れて部屋の隅に移動する。
「いいからお前は黙ってろ。」
「だって、妻って。大体、アルビオンって今戦争中じゃ・・・・・・・・・」
「少なくとも蛮人の戦闘レベルは分かるだろ?伊達に蛮人の研究してたわけじゃねえだろうが。貴族だとしても、大した魔法なんかつかえねぇよ。」
「それはそうかも知れないけど・・・・・。でも相手は蛮人よ?嘘つきよ?」
「そうだな。十中八九バックレるだろう。」
「なら!」
「そん時は力づくで連れ去ればいいんだ。正当な権利だろう?連れ去った後は、催眠で大人しくさせておけばいいんだ。」
「・・・・・・・・・・・。」
「お前だって研究には、サンプルがいた方がいいだろ?」
「・・・・・・・・・わかった。でもあくまで研究の為だからね。」
「よし、決まりだ。」
サイトとルクシャナの話はまとまった。
「話はついた。お前はどうするんだ?」
そして呆然としているアンリエッタの方を向く。
「分かりました。でもこちらからも条件があります。」
「条件?」
「どんな時でも、命をもって私を守ってください。実は、私は亜人に命を狙われているのです。」
ギィィ・・・・・・・・・・
すると、きしむような扉の開く音。いつもなら必ずノックがあるはずなのだが。不審に思いアンリエッタがフッと振り向くとそこには
「エアハンマー!!」
杖を構えたメイジの姿が。反射的にルクシャナは防御魔法でなぶる風から自分たちを守った!
ドゴォッ!!
「先住魔法!?な、何者だお前たち!?」
「何者って・・・・・・・・・決まってるじゃねぇか。」
ザワザワと立ち上がる髪の毛。そして覚悟が、勇気が瞳に満ちる。
「俺がコイツの夫だからだッ!」
魔法の威力を見ていても、躊躇うことなくメイジに向かって突っ込むッ!それを見て取ったメイジは迎撃するべく魔法を解き放った。風の刃が3つ。サイトの正面から飛来する。
「ふん!」
だが少年は素早くそれをかわすと、メイジのアゴに拳を叩きつける。
「ぐはっ!!!!」
アゴを砕かれ、その場に倒れこむメイジ。
「チェックメイト。」
サイトは倒れているアンリエッタに手を差し伸ばす。
「俺はサイト。コイツは相棒のルクシャナだ。」
サイトたちは改めて、アンリエッタに向き直る。
「サイトさん、ルクシャナさん、お二人ともありがとうございました。そしてこれからもよろしくお願いします。」
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