ハーメルン
新田剣丞のマガイ物になったので、悪役ムーブを決めて暗躍したい
もう1人の剣丞、春日山城下にて現状確認に励むのこと


ーーーブウウンッ……


そんな何処と無く不気味な音と共に俺は()()()()()()虚空から姿を現し、地面へと降り立った。

少しの浮遊感から、直ぐに重力の力でしっかりと大地へ己の2本足を踏み締める様に着地する。

さっきまでずっと音も無く、ただひたすらに"無"って言葉が似合う空間である無明長夜(むみょうちょうや)の中にいただけあって特に人がいる訳でも無いごく普通の街道にいるのに風によって揺れる草木の音がずいぶんとうるさく感じた。

無明長夜ってのは吉野が使える妖術の1つで、"無"って表すことが適切であろう暗闇の虚空間の事だ。
原作ゲームでは本能寺での決戦の際、主人公である新田剣丞を拉致する為に使った術式だがBGMとかも更に合わせて一切無くなるので本編をプレイしていて少し驚いた覚えがある、まさか自分がその術中の中に入る様なことになるなんて思いもよらなかったが…いや、そんな事言い出したら主人公のそっくりさんになって吉野に協力する事になるなんてことの方が思いもよらない出来事か。

吉野と協力関係を結んだあの後、俺は自由行動を取らせて貰える様に図らって貰った。

何でも、まだこの外史での終わり(本能寺の変)が済んでいない以上潜伏又は、それに向けての仕込みをして置くことしか現状出来ないみたいなので必要があれば呼び戻すとの事と、あまり外史に介入しすぎない事を条件に自由行動を許して貰えたのだ。
実はもう1つあるのだが…それはひとまず置いておこう。

さて…(よし…)

吉野にある程度の自由行動を取ったのには理由がある。

まずは現状の確認だな…(原作の進み具合どんなもんかな)


そう、原作の進行具合の確認だ。
戦国恋姫Xに登場する吉野は、原作ゲームの最終章で本格的に主人公達鬼討伐連合と真の黒幕として敵対することになり、そこで森長可こと通称"小夜叉"によって殺されてしまう。
つまり、吉野が今現在存在している以上、物語の最終章である京の奪還及びに本能寺の変が終わっていないということになる。

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