そして、俺は走った。ただ我武者羅にあの地下道を思わせる作りの下水道の中をただひたすらに。途中、ルパン三世みたいだよなとかこの世界にも下水道のワニの伝説なんかあるのかなとかよくこんな中をIRAやアルゼンチンの銀行強盗が走れるなとも思いながら。
「そうか。これが俺みたいな罪から逃れようと忘れようとする俺みたいなやつにはモグラはお似合いだよな。」
などと独り言を話してしまった。悲しいだけでもない。全ては運命なのだ。運命だから仕方がないと諦めてもいいが俺はコレクリウスたちに諦めるなといった。ならば、なぜ俺は諦められる?否と言うやつなのだ。俺は諦める訳にはいかない。
それに反乱軍とやらが成功する可能性があるかはわからない。そして、ここにはどうやってもやるしかない仕事の山があるならばこれは幸福だよな。じゃなければこんなことに時間を割いてはられない。手にしているシャベルを握りしめると出口に向かう。そして、光が見えるが気配を感じない。
下水道からの脱出を抑えれてない反乱軍はこれは一度は政府軍に鎮圧されるかもしれないな。まだ、川沿いに作られてる鉄道を見るとまだ軍が止めきってない証拠だ。まだ政府の中枢の機関を反乱軍は制圧できてはいない。同時に反乱も政府が気付いていないということで、反乱が起きたならばどの部隊が反乱を起こしてないのか確認するまでは、イスパニア政府は警官隊や党員の部隊やまた四党連立ゆえに誰が裏切ってるのかを議会で怪しむはず。
実際はいなくてもいい。中央が疑心に駆られてる間に反乱軍は南から攻め上がる。そして気がついた頃には軍を出す機会を逃してさようならなんだろう。しかも、地中海側はカルターニア人、北側にはガスコー人という独立派が居る。更にはリーボンがある地域はポート人なる昔は独立していた存在までおり、この首都内を見回せば出稼ぎ労働者として南方大陸から来ている期間労働者も多く、不穏分子は気にするといくらでもある。
俺は鉄道横の草むらに隠れて、来た汚れ具合から見ると空になった石炭運搬車の荷台に飛び乗ると北へと向かうのであった。
そして、少し寝ることにし、横になるのだった。
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