ハーメルン
帝国兵となってしまった。


 カルターニャを目指し、俺は現地司令部にアルベルトを残して、推薦されたオルトーとグロプの航空第44隊と第一空挺大隊と共に、準備ができたダキア派兵軍(帝国軍)の機甲師団は北へ北へと邁進した。

 このオルトーというのは顔に傷があり、その傷は学生時代にフェーデ(決闘)をかなりの数した為に出来た名誉の負傷と本人は言うが、一般的には単なる不良だ。

 それとは別に優等生の様なグロプは技能はパイロットとしては申し分なく、指揮能力もかなり高い。ゴーランドと出世レースをしているらしく戦意も抜群だ。他にもリュッツオウやシュタインホフ、ボニンなどパイロットも沢山だ。短時間でオルトーは使えそうな兵士を見繕い、街を進むが随伴歩兵が邪魔で遅くなる。

 「しょうがないオルトー、戦車に兵士を乗せろ。あとは自転車やケッテンクラートに乗せろ。牽引車に引かせた台車や馬車に兵士を乗せろ。拙速を尊べ。」
 試しに少しやってみるが進軍速度はありえないほど速くなった。それに伴いオルトーは笑っている。

 「しかし、これほど速いなら毎回戦車に兵士を乗せましょう。速ければ速いほどいい。速さは武器ですよ。鼻っ柱を圧し折れる。」
 流石にいくらなんでもそれは無理だ。

 「オルトー、これは強硬策だ。兵の負担を考えたらやらない方がいい。三輪自転車の速度を見てみろ。これが自動部隊と銀輪部隊の移動力だ。ケッテンクラート部隊をつかって、オルトーはさらに南を目指せ。こちらはなんとかする。航空部隊がいるから奴らはもう終わりだ。」
 イスパニア航空部隊は見る影もない。航空部隊はこちらのグロプ隊ぐらいでこちらには通信で常に戦果なし、こちらはあがったりだと次々に届く。

 もう、70キロは進軍している。小さな町や村にダキア兵を1900人あまりが展開している。もうこの規模では限界だ。それにしても相手は空城の計を使っているのか知らないが追加の支援は早くても3週間はかかる。

通信が入ってきた。これはグロプ隊に同行していた魔導師部隊のシュトールカ・リーデル隊やステン隊などがさらなる奥地のバロスロナをさしたる戦闘もない内に降伏させたらしい。多くの町や村、市が中立や非武装地帯宣言を繰り返す。

 彼らから見ると帝国と仲良くしたほうがいいと思ってるのか市街戦はまずいと思ったのか知らないが、こちらが夜通し進み、バロスロナに到着する頃にはオルトーは海軍に要請をして、戦艦や装甲巡洋艦などを見せつけるように砲撃させ空挺大隊を降下させ、バレルシガに降伏を余儀無くさせて制圧をした。

 たった上陸してから3日で縦に約350キロを支配地を確保した。アルベルトにそれを伝えるとアルベルトは帝国にバンバン補充要請と援軍要請を矢どころか機関銃の如くやっているようだ。

たった一昼夜で飛行機に乗って司令部に戻ると物資の運搬のために集積地として、港が整備されたバレルシガに本部を移動させることになり、移動のためにまた2日を使った。

 新しい司令部は元々、イスパニア軍部が使っていた海軍基地をそのまま使っており、近くのホテルから調度品を買い付けて、増援に来るだろう高級将校たちの接待用に飾り付けまでやりながら、兵士を休ませるために補給書類を片付ける。

 そんなときに、本国から暗号文が送られてきたのだ。

 「あーと。」
 暗号文を読むと本国のあの帝国参謀部は色めき立ち、元々の予定だった10万のダキア軍人から大幅に増強させ、ダキア軍人15万と帝国軍人4万を用立てようとしているようだった。イスパニア与し易しと言う風潮とダキアの成功経験からやらなきゃ損と議会も乗り気らしい。

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