「20万も連れてきて国防は大丈夫なのか?」
もう1922年5月だぞ。もうあの大戦まで1年ぐらいしかない。いや、あれは偶発的だったからかもしれない。東に伸びる分にはルーシーと帝国が殴り合ってくれるから楽しいで済んだのだろうが、西になると話は別だ。それに前時代的なダキア軍が近代化したのを見せつけるとよろしくない。
帝国のテコ入れで最大値だとダキアは200万ほど動員できるようだが、動員できるのと動員するのは話が別だ。戦後の軍人年金問題や死傷者の弔慰金もある。足や手がなくなった復員兵もどうするのかもある。この戦争は近代戦なのだから。
12.7mmの重機関銃が作る触れたら手足が吹き飛ぶ戦争を誰もまだしてない。それこそ秋津島ぐらいだ。ロマノフ秋津島戦争を持ってして、どんなに説明や分析をしても塹壕には肉弾戦と戦車による足の踏破しかないのだ。
それは白骨でできた善意で舗装された道。このままでは俺たちもそうなるのだろうか?が、このイスパニア動乱介入は帝国軍を新たに変えるだろう。なぜなら、機甲師団は金槌、歩兵師団は土塁とわかることだからだ。歩兵師団がなければ守れなければ、機甲師団がなければ突破力に欠けるのを今、証明している。
それに今回の戦闘は空挺の展開力も見せつけた形だ。だからこそ、中央参謀部の考えは変わるだろう。しかし、それは監視している共和国や連合王国だって同じはずだ。
なんやかんや数年がかりでずっとやってきている降下部隊や戦車などの機甲戦術には追いつかないだろうが、マチルダ戦車なんて作られたら厄介だ。それに彼らがあのバランスが取れたクロムウェルを先に完成をさせたり、間違ってセンチュリオンやコメットなどできたらどうする?
チャーチルやブラックプリンス、エクセルシアとかならなんとかなるが、しかし巡航戦車群を早期開発されたらこちらは辛い。あの変態紅茶作家のニビルがどんなものを作るのだろうか?
調べたところによると王立軍需工場で新型兵器の開発の主任官をやっており、飛行機から戦車から戦艦まで幅広くやっていながらも、作家として執筆活動もして、航空機パイロットでもあり、潜水艦にも乗り、バイクで連合王国縦断記録を持ち、丸太をくり抜いた船でドードーバード海峡を横断したり、ガレー船で冬の海を渡り、協商連合まで横断したりと狂っていると言われている。
その話を聞くだけでもげんなりだが、最近は冬の海をガレー船でグリーンランド的な島まで行ったりと冒険家としても名を馳せる連合王国の一代のみ認められた貴族様らしい。
ニビルはなんなのか知らないが大航海時代にでもタイムスリップしてろよとしか思えないのが感想だし、なんでわけわかんないのがいるんですか?ちょっと存在X手抜き工事したのか?
「大丈夫かは知りませんが現状、第一陣を20万にするのは期待をしてるということでしょうし、勝算はたっぷりなのでは?あと第二陣も構えてるらしいですから、最終的にはなんと60万を予定しているとか。イルドアとの早食い競争には負けない気なのでしょう。それにしても、何故、今更になってから反乱をイスパニア軍が起こしたか気になりますが。」
たしかにそれはそうだ。武器が集まったとか?武器なんか生えてくるものじゃない。彼岸島の丸太みたく生えてくるなら別だがそんなものじゃない。
「アルベルト、どこかの国の介入があって、内部バランスが崩れたのかもしれない。鹵獲兵器を見て確かめるか。」
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