ハーメルン
帝国兵となってしまった。

 多少脛をかじったところで怒りはしないとわかったからには脛を齧らせてもらおう、それに大部分ではこれは海運をつかった軍事輸送経験を貯めるという事である。

 それは来年の戦争に役に立つに違いなかった。相手の後背地に船で上陸作戦をできるような能力を見せるということに違いないからだ。後方も相手は心配しなくてはならないという精神的威圧は使えるだろうと思う。

 それよりもなによりもイスパニアで勝たねば意味はない。イルドアの動向を見れば勝ち戦ではあるがそれでもルーシーが派兵してこないとも限らない。

 が、可能性は低めだ。テロスキーとトゥハチェフスキーを探しすぎてパラノイアになり、こないだの大粛清第一ラウンドの時点でカリーニンを残してオールドな連中の多くが死んだらしいが、それが終わったのにもかかわらず、大粛清第二ラウンドを開始で、ヤゴーダ、クレスチンスキー、ラコフスキー、カラハン、トムスキーなどを含むメンバーも死んだようで生きているエゾフが大密告時代を開催したというのが軍学校時代の友人達やあの国民の麦の会、バークマンからの手紙でわかっている。

 国外に逃げたオルジョニキゼ、アウセム、ジノヴィエフ、カーメネフ、フルンゼなど60人が一斉に登山家が現れてピッケルで頭をかち割られたらしい。共和国は国内で起きた事に驚いてるらしい。

 何故ブハーリン的なルバーリンとエジョフ的なエゾフが生きているかは謎だが、高級将校の半分くらい?中佐以下も7割ぐらいが知らない顔に変わったと書いてあった。更にはカリーニンとカガノーヴィチ、マレンコフ、ミコヤン、ジダーノフが乗った列車が謎の死滅したはずのメンシェヴィキとロマノフスキー派と黒軍とコサックによる爆殺をされたのを機に、重度の赤い嵐が吹き荒れてる様で、軍改革としてヴォロシーロフらまでモスコー裁判にかけられて新聞記事で銃殺されている。派手にやってるが国家としての体を成しているのか疑問ではあるが、金持ちの大部分が粛清されその資産を国家が運用し、急速な工業化が進んでいるのは間違いないらしい。

 訳の分からないルーシー事情はさておき、まぁ、気楽にやれるだろうな。

 そこから、増援が来るまでの1ヶ月は何事もなく俺は過ごせた。

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