故に帝国のように軍事力拡大にはいかなかったのだろう。石油や石炭を帝国に売ればなんとかなる立地だからな。
「そのとおり、このままでは金持ちと貴族たちが国家を支配し、国民は奴隷のままです。こんな理不尽があってよいわけが‥‥。」
などとリーダーのコレクリウスが言ったところで走ってきたあの角材の若者がいた。何だ慌てて。
「大変です!ダキア軍の鎮圧部隊が来ました!あいつらはアルトネスクの精兵だ。もう終わりだ!」
そう言うと彼は歩兵銃を手にとって箱の上に座り、口に突っ込み、引き金を引こうとする。
「よ、よせ!マリウス!」
マリウスと呼ばれる彼が震えながら引き金を引こうとするができなく、口の中から銃口を引き抜き唾液でぬちゃあと糸を引きながら銃が転がり、ボルトアクション式だった為に暴発する。
タンと発砲音が響くと外から大声が聞こえた。
「大隊長殿!貴様ら!素直に解散しないばかりか大隊長殿を!本部に連絡しろ!大砲を用意しろ奴らに正規軍と一般人の違いを叩き込んでやる!」
なぜそうなる!その暴発がたまたま大隊長とやらを撃ち抜いたようで投降も何もできない。
じゃあ、俺はどうすればいいんだ?
唖然とする学生たちは俺に目を向けてきた。彼らにとってはこの中で軍の訓練をしっかり受けてるのは俺だと思って見てるのだろう。
「その階級章、大佐ですよね?なら、オレ達がどうしたらいいか教えて下さい。」
リーダーのコレクリウスが縋り付いてきた。
中には親にバレるとか学費がとか奨学金がとか叫ぶ情けない奴がいる。いや、学費とかそういう次元の話じゃないだろ。あいつら、大砲を‥‥いや、大砲ならここにもある。それにここは地下道でトロッコが牽かれているもしや、これは彼でも‥‥いや、もうこうなったらやるしかないか!
しかし、帝国人だとバレるわけにはいかない。なにか無いのか壁を俺は見るのだった。
[9]前 [1]後書き 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:4/4
[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク