石杖綱吉と共演者の演技その2
日夜悪の秘密組織と戦っている男子高校生の家に、悪の秘密組織に所属している特殊部隊が向かっていることを知った男子高校生。
家に居る母さんが危ないと焦っている男子高校生は、全速力で家まで走る。
辿り着いた家の玄関が荒々しく破られていて、家の中に入った男子高校生が見たのは、悪の秘密組織の特殊部隊によって人質に取られた母親の姿だった。
「母さん!」
「おっと動くなよ、今お前が少しでも動けば母親の命は無いぜ」
近付こうとした男子高校生を牽制するように片手に持ったナイフを母親に近付ける特殊部隊の1人。
「母親の命が惜しければ、大人しく我々に捕まるんだな」
人質を取られて動けない男子高校生を見ながら特殊部隊が言い放つ言葉に、従いそうになる男子高校生を見ていた母親。
追い詰められた男子高校生が、悪の秘密組織に屈してしまいそうになってしまった瞬間。
母親が微笑みを浮かべたまま、瞬時に取り出した拳銃で自分にナイフを向ける特殊部隊の眉間を正確に撃ち抜いていた。
特殊部隊の1人が死亡して、倒れ込むよりも速く動いた母親が部屋の中に居た特殊部隊全員の頭部を早撃ちで撃ち抜く。
「か、母さん?」
母親の行動に驚き過ぎて状況が良くわかっていない男子高校生は、戸惑いを隠せていない。
「貴方、母さんが人質に取られて諦めそうになっていたでしょう。駄目よ、そんな簡単に諦めちゃ」
息子である男子高校生に、普段通りの態度を崩さずに叱る母親は、物凄く手慣れた様子で拳銃の弾倉を交換する。
「いや、母さん、その拳銃は?」
母親の持つ拳銃を指差す男子高校生は、何で母さん拳銃持ってんのと言いたげな顔をしていた。
「備えあれば憂いなしとも言うでしょう」
そう言って笑う母親は、息子に拳銃の入手ルートを話すつもりはないようだった。
「そろそろ家を監視してた連中が追加の部隊を送り出して来るわ、さっさと片付けて夕飯にしましょう」
「夕飯って、凄いな母さん」
こんな状況でも落ち着いている母親は、いつもと変わらず普段通りのままであり、非日常の中でも変わらない母親が、とても頼もしく見えた男子高校生。
正確無比な母親の拳銃によって容易く撃ち抜かれていく特殊部隊達の頭部。
なんとか死体を盾に接近した特殊部隊が近付いたところで、母親が持つナイフによって首を切り裂かれていく特殊部隊。
「こいつは傭兵の」
接近戦も全く隙がない男子高校生の母親の動きを見ていた特殊部隊の隊長が、動きを見て気付いたことを叫ぼうとしたが、言葉は途中で止まる。
「お喋りな男は好きじゃないわ」
瞬時に隊長の背後に回り込んでいた男子高校生の母親によって、特殊部隊の隊長は息の根を止められてしまったからだ。
「全部片付いたわ、それじゃあ夕飯にしましょう」
悪の秘密組織の特殊部隊達が死体になって転がる中で、そう言った男子高校生の母親は、いつも通りの笑顔を浮かべた。
石杖綱吉が登場している映画の場面は、これで終わりとなる。
「やめてください!この子は、まだ8歳ですよ!」
「口出しするんじゃない!」
息子に虐待まがいの厳しい稽古を行わせる夫を止めようとする妻であり母親は、止めることはできずに夫に殴られることになった。
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