5.大事なのはタイミング[散々spot]
「ここがドワーフ鉱山…一時期は魔法石の採掘で栄えたらしいが…」
今現在、私とグリム、エース君、デュース君の四人(厳密には三人+一匹)はひと気のない廃鉱山を訪れている。
何でもあのシャンデリアの心臓たる魔法石がここ産のものだそうで、同じ性質の魔法石があれば直せるかも、とのこと。
…それにしてもあのシャンデリア、電球じゃなかったのか…私としてはかなり衝撃的だったりした。永遠に尽きない蝋燭is何?蝋って燃料だよね?燃料の塊だよね?…いやはや質量保存の法則ガン無視とは。本当に恐れ入った。
エース君が小屋を見つけて訪問してみたけど、荒れ放題の空き家だった。まあ廃鉱山だからね…学園長もはっきり言ってたからね…小屋を出て、鉱山の入り口に向かうとしよう。
「うげっ…こ、この真っ暗な中に入るのか!?」
「ビビってんのかよ、ダッセェ」
「なぬっ!?ビ、ビビってなんかねーんだゾ!」
「はいはい、いいから行きましょう」
「なっ、待てユウ!オレ様が隊長だ!」
道中通せんぼしてくるゴーストを、二人と一匹の魔法で都度追い払いながら進む。
「ったく…ここもゴーストがうようよしてんのかよ…」
「いちいち構ってたらキリがない。先を急ぐぞ」
「偉そーに命令しないでほしいんだけど?…だいたい、お前があんなバカな真似しなきゃこんなことにならなかったのに」
「元はといえばお前が掃除をサボったのが原因だろう!」
「それを言ったら最初にハートの女王の像を黒こげにしたのはこの毛玉だぜ!?」
「ふなっ!?オマエがオレ様をバカにするのがいけないんだゾ!」
「静かに!!」
パチッ!という音とともに各々「でっ!?」「う゛っ!?」「に゛ゃっ!?」と悲鳴を上げた。力業で喧嘩を止めてから、私は耳を澄ませる。
「痛って…なんだ今の……」
「…人の声がします」
「なんだって?」
「……さぬ………うう……ぬ…」
「…い…し……ウウゥ……オデノモノ…」
「なんだこの声…?」
「なんか…だんだん近づいて……っおい!?」
恐る恐る声のする方へ近づくと、何かの姿が―――
「イジ…ハ……オデノモノダアアアアア!!!」
「「「で、出たああああああ!!!」」」
「なんだあのヤバイの…」
「ふな゛~~~~~あんなヤバイのがいるなんて聞いてないんだゾ!」
…現れたのは、怪物…頭が大きなインク瓶になっている大男。私たちは一目散に逃げ出して(斬新な見た目に目を奪われていた私はなかば引きずられる形だった)、そろそろ撒けたかな?という状況。
「めっちゃエグい…でも、アイツ石がどうとか言ってなかったか?」
「確かに…私たちの探し物と、何か関係があり「イジハワダサヌ!!」
「うわ出たぁ!?」
「ムムムムリムリ!いくらオレ様が天才でも、あんなのに勝てっこないんだゾ!!」
「だが魔法石を持ち帰れなければ退学……僕は行く!!」
「冗談でしょ!?」
「僕は退学させられるわけにはいかないんだ!」
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