鈴取り演習
首から上だけを出した生首状態で地面に埋まる黒髪の美少年、土の縄で縛り上げられ宙吊りにされ、へそを大きく露出た金髪の少年、目を回してお尻を突き出した状態で土下座をするように地面に倒れ伏す桃色の髪の少女。
そして、そんな少年少女の横に立ち、イチャイチャパラダイスなるエロ本を読む、顔のほとんどを黒いマスクで隠した木の葉の忍。
ここが木の葉の里じゃなかったら間違いなく奥様に通報されていただろう悲惨な光景がそこには広がっていた。
何故こんな状況になってしまったのか、それは少し前に遡る。
★
ナルトは班発表の日寝坊して遅刻したもののそれで下忍になれなくなるなんてことはなく、班の発表はつつがなく終わった。ナルトが組み込まれたのは第七班で、班員は春野サクラとうちはサスケ、担当上忍ははたけカカシだ。だが、このはたけカカシが中々の問題のある忍のようで、「担当上忍が迎えに来るまで待て」と言われ、待っているが中々に現れない。
痺れを切らした桃色の長髪の貧乳美少女、春野サクラは『忍の闇と性 著 千手扉間』なる本から顔を上げ、声を上げる。
「ねえ、私達の担当上忍だけ来るの遅すぎない?他の班が出ていってもう三十分よ。明らかに遅刻だわ。きっと何かトラブルがあったと思うのよ」
「そっかぁ?只の遅刻だと思うってばよ」
「上忍が遅刻なんてするわけないでしょ。貴方じゃあるまいし」
ナルトは仲良くなるためのきっかけを探していたのでサクラの問にこれ幸いと乗っかる。窓際で外を見ていたサスケも暇をもて余していたのか、二人の話に乗ってくる。
「俺達の担当上忍はあの゛カカシ゛だ。もしかしたら急な任務でも入ったのかもしれない」
「確かに……。あの゛はたけカカシ゛だものね。でも、連絡の一つくらい来ても良いと思うんだけど」
「あのカカシって、二人ともカカシ先生のこと知ってんのか?」
ナルトの呑気な言葉に二人は絶句する。ナルトは何故二人が突然黙ったのか分からず首をかしげる。
「ナルト、本当に『はたけカカシ』を知らないのか?」
「知らないってばよ」
「冗談でしょ。信じられないわ。貴方今までジャングルの奥地にでも暮らしていたの?」
「サクラちゃん、それは流石に酷いってばよ」
「木の葉で忍者になろうって人がはたけカカシを知らないなんて、そっちの方が酷いわよ」
「そんな有名人なのか」ナルトはそこまで言われるはたけカカシと言う忍に興味が出る。「どんな人なんだってばよ」
ナルトの問いに待ってましたとばかりにサクラは話し出す。サクラは何かを説明するのが好きだった。
「私も直接会ったことはないから噂の内容しか知らないけど、どれもとんでもない噂ばかりよ。
曰く、5歳で下忍、6歳で中忍、12歳で上忍になった木の葉の生んだ天才忍者。忍・体・幻術全てを得意とし、頭脳明晰であり、厳格さを持ち、冷静沈着な状況判断力を持ち、部下の育成能力まで持つ。その実力は木ノ葉の上忍の中でも特に優れており、他国の忍にまでその実力が知られているの。雷を素手で切ったなんて逸話まであるのよ。まあ、流石に最後のは誇張だと思うんだけど、でも本当に凄い先生なのよ」
この間一切の息継ぎ無しにサクラは言い切った。凄い肺活量だとナルトは感心した。
「へー、なんか凄い忍者なんだな。会うのが楽しみになってきたってばよ!」
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