ハーメルン
進撃の巨人 The end -ゲームの主人公が生きていました- -誰が為の翼-
#0 ウォール・シーナ防衛戦
「お前たち! 急ぎ戦闘の準備をしろ!」
それは、突然の凶報だった。
「戦闘……!? 何があったんですか!?」
「ウォール・ローゼ内に再び巨人が現れたらしい、それも以前とは段違いの……!」
###
「偵察班によれば、巨人の群れはウォール・シーナ内へと一直線に向かっているようじゃな」
「その中には、先の騒動の際にも姿を現した『獣の巨人』の姿を確認したとの噂もあります」
「ふむ……やはり、三兵団の総力を結集し緊急防衛線を敷くのが最善であろうな」
三兵団のトップ、ダリス・ザックレーが腕を組みながら言った。
「はい、ウォール・シーナの陥落は、人類の滅亡を意味します……それだけは避けねばならない」
「我々が一致団結して人類の危機に立ち向かう、か。面白くなってきたのう」
「どうやら異存はないようだな。憲兵団は引き続き、市街地で避難民の誘導を進めてくれ。駐屯兵団はピクシスを中心に緊急防衛線の準備を、調査兵団は偵察を続けろ。巨人の動向から目を離すな」
###
「……」
「どうしたエルヴィン、クソでも我慢してるような面だな……」
「いや、懸念点があってな。獣の巨人は見るからに知性があった。それだけ厄介な相手がここまで目立つ形で策もなく攻めてくるはずもない」
「エルヴィン、てめぇは何が言いたい」
「リヴァイ、お前に頼みたいことがある」
###
「今までにない大きな戦いになるよ、出撃の準備が出来てるかい」
先程の会話を影からこっそりと聞いていた『彼』は、ハンジに話しかけられた。
「もちろんです」
「覚悟はいいね……行くよ!」
###
彼は、木の上から進行してくる巨人を観察していた。
「おい!」
コニーに呼ばれて地面に降りる。
「敵の数はどうだ? ま、聞くまでもねぇか」
ジャンは、既に覚悟を決めていた。
「私たち、本当に最前線で戦うんですか……?」
「あんな大軍相手にどうやって勝つってんだよ……」
彼はそう言うコニーの頭をぽんぽんと撫でてあげる。
「やるしかない。ここを突破されたら人類は……」
「注もぉぉおおおおく!!! これより我々は、巨人との決戦に臨む!」
「ウォール・シーナの陥落はすなわち、人類の滅亡を意味する」
「ならば、我らが今すべきことは1つ! 最後の一瞬まで抗い、人類の────愛する者の未来を守ることである」
「皆、心して戦え! 心臓を捧げよ!!!」
各兵団のトップが、兵員に向け宣言する。
###
だが、それを王政側の人間は許さなかった。
「ウォール・シーナの扉を全て閉鎖せよ!! 避難民を何人たりとも入れてはならんぞ!」
それを聞いていた、兵団の者たちは驚愕した。
「そ、それは!! ウォール・ローゼの住民を……人類の半数を見殺しにするとの判断でしょうか!?」
[1]次
最初
最後
[5]目次
[3]栞
現在:1/2
[6]トップ
/
[8]マイページ
小説検索
/
ランキング
利用規約
/
FAQ
/
運営情報
取扱説明書
/
プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク