ハーメルン
進撃の巨人 The end -ゲームの主人公が生きていました- -誰が為の翼-
#14 作戦成功条件

「日が昇ってきたぞ! 物陰に潜む巨人に警戒せよ!!」

 馬を駆けながら、彼らはシガンシナの外門へと向かった。

「これより作戦を開始する! 総員ッ、立体機動に移れ!!」

(敵の目的はエレンを奪うことにある。敵がエレンに壁を塞ぐ能力があると知っているかどうかはわからないが、我々がここに向かっていると知った時点で、壁を塞ぎに来たと判断するだろう。そして破壊された外門を塞ぐと踏んでいる筈だ)

 壁を伝いながら、エルヴィンは思考を巡らせていた。

(我々の目的が壁の修復以外にシガンシナ区内のどこかにある『地下室』の調査だということは、入団式の際に既に敵に伝えてある。ならば先に塞ぐ外門にエレンは必ず現れる。ただし────)

 エルヴィンはそのために策を講じていた。フードを被り顔を隠した100人の兵士が同時に外門を目指すというのだ。

「……」

「止まるな! 外門を目指せ!!」

「ッ……了解!」

 廃れた街並みを見て足を止めていたエレンにリヴァイが声をかけた。

(これは…焚き火の跡!?)

 その頃、アルミンはそれを発見、信煙弾を放った。

(いる……ベルトルトと……ライナーが……)

(あれは……あの岩は……)

 波止場の近くにある大岩、それはグリュックの父母を潰したものであった。

「何で……!? 周りに全く巨人がいない!?」

「いやそれどころかここに来るまで一匹も見当たらない」

「……やっぱりおかしい」

「だがやるしかねぇ」

「作戦続行に支障なし」

 ハンジはそう判断し、信煙弾を放った。

(俺にはできる……いや、俺たちなら────できる。何故なら、俺たちは生まれた時から、生まれた時から皆特別で……自由だからだ)

 壁の遥か上空に飛び、エレンは巨人化する。そして彼は結晶化し、巨人の体から上体を起こす。そしてそれをミカサが回収し、壁上に登る。

「周囲の警戒を怠るな!」

「くまなく見張れ!」

「立体機動装置は?」

「無事だ、でもやっぱりマントは持ってかれちまった」

 エレンがそう言うと、ミカサは自分のマントをエレンに羽織らせる。

「! ありがとう」

「調子は!?」

「問題ありません、訓練通り次もいけます!」

「では內門に向かう! 移動時に狙われぬよう、しっかり顔を隠せ!」

「本当に塞がったのか?」

「あなたがやった」

「こうもあっさり?」

「自分の力を信じて」

「……あの時の穴が……」

「まだだ」

「!」

「ヤツらが健在なら、何度塞いでも壁は破壊される。わかってるな? ライナーやベルトルトら……すべての敵を殺し切るまでウォール・マリア奪還作戦は完了しない」

 リヴァイはそのことを今一度確認させる。

「……当然、わかっています」

 一方、エルヴィン、班長のディルクは野営していたであろうライナーらの痕跡の報告を待っていた。

「襲ってこない……」

「敵は俺たちの強襲に対応できてないのか?」

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