ホッパー・フライング
「ああ、くそ……体がガチガチだ」
『おはようございます。ハルト様、バックアップの実行に感謝します。お疲れ様でした』
「J.A.R.V.I.S!よかった、直せたんだ」
『はい、ですが予想外に時間がかかり現在復元開始より10時間かかっております。また、アーマーとのアクセスも不調です』
「問題だらけってわけか……って俺10時間も寝てたの!?ごめんトイレあったりする?」
『非常用のトイレがあります。そちらです』
どうやら思いっきり寝坊した俺は、とりあえずJ.A.R.V.I.Sにトイレの場所を聞きながらつなげてあった腕時計を立ち上げる。どうやらトニーさんから連絡があったわけではないようだ。ライズフォンにも何もない、あぶねえ。SOS聞き流してたらと思うとマジで冷や汗が止まらない。
「J.A.R.V.I.S、眠らない方法に心当たりない?」
『私の立場としてはお勧めしかねます』
「だよね、了解。とにかく一回テネシー州に戻るよ。あ、予備のリアクターがいるってトニーさん言ってたから出してもらえる?」
『こちらです』
慌ててトイレやらを済ませた俺がドタバタと準備する。あ、カロリーバーがある。悪いけど失敬させてもらおう、いいよねJ.A.R.V.I.S?ありがと。J.A.R.V.I.Sの本体が開いてケースに収められたアークリアクターが出てきたので俺は二つケースをひっつかむ。そのままドアを少し開けて外の様子を伺う。やっぱりいるよな、警察。さてどうやって逃げようか。
「J.A.R.V.I.S、家の方のオンラインに何か無事なのある?」
『スピーカーがオンラインです』
「オッケー、それじゃ爆音でなんか流して外の注意引いてくれない?その隙に崖からジャンプするから」
『了解、3秒後に開始します』
カロリーバーを咥えてもごもごとしながら外の様子を伺い、きっかり3秒後にトニーさんの家のあらゆる場所に設置されたスピーカーから爆音でトニーさんの好きな曲がいくつか流れ始めた。外で何かやってた警察官が慌てて家の中に入っていったのを見計らってサーバールームから出る。
急いで崖際まで走り、ためらいなく飛び降りる。今回は傷つけちゃいけない荷物があるので燃えながら飛ぶバーニングファルコンじゃなくてフライングファルコンプログライズキーだ。崖の壁からジャンプしたバッタのライダモデルの上に着地して、キーを展開、スロットに入れて準備完了。マゼンタの装甲を纏って俺は空へ舞い上がるのだった。変身後の姿は多分思いっきりみられたと思う、困った。
ケースに入れられたアークリアクター二つを両手に持って、俺はテネシーへの進路をとる。
「あー、J.A.R.V.I.S、ゼア。マンダリン関係でなんか進展ある?」
『現状特に進展はありませんが、ローズ大佐と連絡が取れません』
「……聞くんじゃなかった。ゼア、ペッパーさんに連絡。今どうなってるかな」
J.A.R.V.I.Sは他のスーツとの連携取り戻すのに今しばらく時間がかかるそうで、マーク42にパワーを割いてるらしい。俺は時計のおかげで不自由なくサポートを受けてるが、トニーさんにはないはずだ。仮面の裏に映し出される映像に閉口しながらゼアにペッパーさんが無事かどうかを聞く。途端ゼアの方から報告が入る、ペッパーさんが行方不明!?冗談だろ、昨日の今日だぞ!?クソ、行動に迷いがない上に速い!どっち優先だ!?
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